『中国野良人大図鑑』 13億人みんなイイ顔-たくましく生きる物乞いのイノベーション-
異国を旅していると、必ずといっていいほど物乞いと巡り合う。むしろ、自分の場合は積極的に彼らを探して歩く。なぜなら、その出会いは時として世界遺産や美しい光景より、よっぽど心に残る思い出になることもあるからである。
物乞いとは、その国のある一部分を映し出す鏡のようなもの。救いの手を差し伸べるわけでもなく、己は単なる傍観者に過ぎないにしても、彼らの悲惨な姿から目を背けずにあえて鏡の中を覗き込むことで、見えてくる世界がきっとある…といったことを20代の頃から思い続け、物乞い観察を