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新社会人のみなさ〜ん! 「正しい敬語」をちゃんと理解していますか?

 今春、新社会人になるあなた。いや、そうではない方も注目。人の第一印象を決める「言葉遣い」、とりわけビジネスシーンで基本となるのが「敬語」ですが、実は中堅ビジネスマンでさえも間違って使っているものが多いのです。そんな簡単なようで奥深い「敬語」について、本郷陽二氏の著書『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』からしっかり学んで、この春から“デキる社会人”になりましょう。

①「おタバコ」「おトイレ」はアウト!
 「お」や「ご」をつければ、何でも丁寧語?

 丁寧語は、ものごとを丁寧に表すための敬語です。具体的には、「です」や「ます」を語尾につけた表現です。
「ボクは会社に行く」を丁寧語に直すと、「わたくしは会社に行きます」
「具合悪いから寝てる」を丁寧語にすると「具合が悪いので、寝ています」
 のように言い換えることができます。
 
 また、単語の前に「お」や「ご」をつけて丁寧にする「美化語」も、丁寧語の中の一つです。
 たとえば、お客さまに飲み物をすすめる時に「茶のおかわりはいかがですか?」より、「お茶のおかわりはいかがですか?」が丁寧な言い方ですし、品の良い言葉づかいになります。
 ただし、丁寧な言葉づかいにしたいからといって、むやみに「お」や「ご」を付ければいいというわけではありません。美化語にもちゃんとしたルールがありますから、これを守らないと、おかしな日本語になってしまうのです。

 まず、「お」や「ご」をつける決まりの中には、外来語にはつけない、というルールがあります。ですから、今では日本語としてかなり定着している「おビール」や「おトイレ」「おソース」なども、本当は間違った丁寧語なのです。
 また、天候や自然現象、公共物などは「美化語」には適していません。「お雨」や「お雲」、「お台風」や「お地下鉄」、「お団地」や「お役場」といった言葉は聞いたことがないでしょう。
 そのほか、悪い意味の言葉も美化することができません。「お犯罪組織」や「お詐欺」「お裏切り」など、元の言葉が悪ければ美化語にはなりません。

 さて、頭に「お」と「ご」のどちらをつけるかも難しいところですが、これにもルールがあります。「漢字で表現されるもので、音読みで始まるものには「ご」がつき、訓読みやひらがなで始まるものには「お」がつく」という決まりがあるのです。

◆美化語にはルールがある
× おビール おトイレ 
× おタバコ お天ぷら
× ご中退  ご離婚
〇 ご卒業  ご結婚
【ポイント】間違った使い方は、失礼になることも

②返事の気持ちよさでワンランク上の好印象を
 「了解しました」ではなく、
 「承知しました」で好印象

 人から何かを頼まれたり、お願いをされた時にどのように答えていますか。話し方によって、その人の印象や評価は大きく変わります。だからこそ、どんな言葉を選ぶかが大切なのです。
「わかりました」という意思を伝える言葉としてよく使われるのが「了解しました」ですが、実はこの言い方にはちょっと問題があります。

 なぜなら、「了解」は、物事の内容や事情を理解して認めることで、簡潔に意思を伝えられますが、相手に対する敬意や謙遜の気持ちまでは届けられません。
 だからこそ、上司やお客様など目上の人に対しては使うべきではありませんし、改まった言葉遣いが求められるビジネスシーンでは適切とはいえないのです。

 お客様の依頼に対して「了解いたしました」「了解でございます」などと言う人もいるようですが、たとえ「いたしました」や「ございます」をつけても「承知しました」「かしこまりました」「承りました」の丁寧さにはかないません。
 まして、上司からの指示に対し「了解です!」などと答えると、「いつまでも学生気分が抜けていない」と思われてしまうかもしれません。

 模範的な答え方には、「かしこまりました」「承知いたしました」「承りました」などがあります。どの答えも丁寧で好感の持てる返事です。
 さらに、これらの言葉の前に「はい!」という歯切れのよい返事があると、さらに良い印象になります。
「かしこまる」や「承知する」には慎んで承る、相手の言っていることを承諾するという意味がありますから、謙虚に相手の言葉を聞く姿勢も伝わります。
「承知しました」や「かしこまりました」は堅苦しくて使いにくいという人も少なくないのですが、何事も慣れが肝心。繰り返し使っているうちに、ごく自然に使えるようになるはずです。

 そして、もうワンランク上の返事を目指すのなら「すぐに取りかかります」「今の作業が終わり次第、取りかかります」のように「すぐにやる」という一言を添えましょう。これであなたの印象が劇的に良くなることは間違いありません。

■ 目上の人から用事をたのまれたとき
× 了解しました!      〇承知しました。
× 了解でございます。    〇かしこまりました。
【ポイント】「了解」ではなく、まずは「承知」を使おう

③目上の人をほめてはいけません
 「お上手ですね」よりも「さすがです!」

 これは、会社員Aさんのエピソードです。
 上司と一緒にお客様のところへ行く途中、二人は外国からの観光客に声をかけられました。ある場所に行きたいのだけれど、道がわからないというのです。
 Aさんはちんぷんかんぷんでしたが、上司は流ちょうな英語で案内し、観光客から礼を言われて別れました。
 その姿に感心したAさんは、次のように言いました。
「部長って、案外英語がうまいんですね」
 すると、上司は苦笑いしながら「あ、ありがとう」と応じましたが、その後は雰囲気が悪くなってしまったそうです。せっかく褒めたのに、なぜこんなことになったのでしょうか?

 Aさんの対応には二つの間違いがあります。
 まず一つは、上司を「うまい」という言葉でほめたこと。日本では「ほめる」という行為は目上の者がするもの、という考えがあります。
 たとえば、小さな子どもに「○○ちゃんは自転車に乗るのがうまいね」とか「字を書くのが上手だね」といった具合です。

 もう一つの間違いは、「案外」という余計な一言を付け加えたことです。案外という言葉は「予想が外れる」という意味ですから、このシーンで使うと、「部長は英語なんて話せないと思っていたのに、上手で驚いた」というようなニュアンスになってしまいます。かなり失礼なのがわかりますね。
「案外」のほかにも「意外に」とか「思ったより」というのもNGワード。無意識に使っている人も多いので気をつけましょう。

 では、Aさんはどう言えばよかったのでしょうか。
「部長、さすがですね」
「こんなに流ちょうにお話になるなんて、感動です!」
 あたりが模範解答といえるでしょう。
 目上の人は「褒める」のではなく「讃える」のがポイント。シンプルに、「すごいです」でもいいですし、「勉強になりました」「見習いたいです」などの表現でもOK。そして、余計な一言は付け加えないよう注意しましょう。

■ 目上の人をほめるときは
× うまいですね
〇 すごいです!
× 上手ですね
〇 感動しました!
【ポイント】目上の人は褒めずに讃えよ。

④滑稽な褒め言葉に気を付けて!
 「物」に敬語を使っていませんか?

 まだ敬語に慣れていない人の場合、何でも丁寧にすればいいと思って、人以外のものにまで敬語を使うことがあります。
 たとえば、新しいスーツを着て出社した上司に対して「素敵なスーツでいらっしゃいますね」と言ったり「お洒落なワイシャツでいらっしゃいますね」と言ってみたり。本人は、上司に喜んでもらおうと、一生懸命ほめているのはわかりますが、人間以外のものに対して敬語を使うのは、おかしなものです。

 敬語は基本的に人間に対して使うものであって、物や動物に対しては使いません。ですから「素敵なスーツでいらっしゃいますね」は「素敵なスーツですね」で十分です。
 さらに、愛犬家や愛猫家のお宅を訪ねた時、飼い主に喜んでもらおう
「かわいらしい猫ちゃんでいらっしゃいますね」
「ワンちゃんは、お手もお座りもお上手なんですね」
 など、まるで人間の子どもを褒めるような調子で敬語を使う人もいますが、言葉使いとして間違っているだけでなく、聞いていて滑稽に思えます。
 これらの言葉は「かわいらしい猫ちゃんですね」「ワンちゃんはお手もお座りも上手ですね」と、あっさり言っても失礼にはなりません。

 飼い主も、このように見えすいたほめ方をされるより、飾り気のない言い方をされるほうが、ずっと気持ちがいいのではないでしょうか。
 もし、どうしてもペットや動物をほめたいのであれば、
「賢いですね。こんなにご主人の指示を守る犬は、滅多にいません」
「綺麗な猫ですね。写真を撮らせていただきたいくらいです」

 と、動物自身についてではなく、その行動や様子をほめればいいでしょう。

 敬語では「お鞄」や「お車」のように、持ち物に「お」や「ご」をつけて敬意を表すことはあっても「洒落たお鞄でいらっしゃる」のように、物に直接敬意を表すことはありません。同様に「洒落た服でいらっしゃる」「上手にお手をなさる」のように、動物に物に敬意を払うのも間違いですから、間違えないようにしましょう。

◆物やペットほめるときには注意して
× すてきなスーツでいらっしゃいますね
〇 すてきなスーツですね
〇 すてきなスーツをお召しですね
× お座りがお上手でいらっしゃる
〇 お座りが上手ですね
【ポイント】敬語を使う相手は基本的には人間だけ

⑤質問したいなら、その意思を示しましょう
 「これがわからないんですが…」は甘え過ぎ

 仕事に慣れない頃は、業務の手順がわからなかったり、自分の知識が及ばなかったりして、なかなかスムーズに事が運ばないでしょう。
 そんな時は、上司や先輩に尋ねればいいのですが、つい「あまり質問ばかりすると無能な部下だと思われるかもしれない」「忙しそうな先輩に迷惑をかけたくない」などと考えて、質問もせずに一人で考え込んでしまう人がいます。
 しかし、わからないことを放っておいたのでは、結局仕事の効率が下がるばかりですから、余計な気兼ねをしないで先輩や上司に質問するのが一番です。

 ただし、問題なのは、その聞き方です。よく耳にするのが、
「すみません。ここがよくわからないんですが…」
「あの、この書類の書き方はこれでいいんでしょうか?」

 などという言葉使いです。残念ですが、これはものを教わる時にふさわしいとは言えません。

 なぜなら、こうした言い方は
「よくわからない」
 という自分の問題をただ伝えているだけで「教えて欲しい」という意思表示がないからです。
 確かにこれでも先輩たちのアドバイスはもらえるかもしれませんが、これではちょっと幼稚な言い方ですし、甘え過ぎにも思えますね。

 もし先輩や上司に解決の方法を尋ねたいなら
「この部分が理解できないのですが、説明していただけませんでしょうか」
「書き方がよくわかりません。すみませんが教えてくださいませんか?」

 のように話したほうがいいでしょう。
 もちろん聞く時には、「お時間を取らせて申し訳ありませんが」「お手数をかけますが、説明していただけるとありがたく思います」などと、恐縮する気持や感謝の思いをしっかり表すことも大事です。

「よくわからないのですが」が当たり前になっているのでは、自分の成長にはつながりません。
 また、謙虚な気持ちで質問をして、教えてもらった後には「どうもありがとうございました」と心のこもったお礼を忘れないようにしましょう。

■ 教えてほしいという気持ちを伝える
× ここがわからないんですが…  〇 教えてくださいませんか
× これでいいんでしょうか…   〇 説明していただけませんでしょうか【ポイント】事前の恐縮、事後のお礼を忘れずに

⑥上司「今日一杯どうだ?」
 角を立てない断り方・地雷を踏む断り方
 上司の誘いはうまく断りたい

 就業時刻が過ぎたら、あとは自分の時間。家に帰ってのんびりするもよし、気の合う仲間と食事をするのもいいでしょう。
 しかし、帰りがけに上司から「どこかで一杯飲みながら、話をしないか」と誘われたらどうしますか?
 一昔前なら上司の誘いは絶対で、恋人との約束をキャンセルしても付き合ったようです。しかし、今では仕事とプライベートの区別をはっきりさせる人が増えています。
 そのため「お話があるのなら、就業時間内にお願いできますか?」「就業時間外は、会社の方とはお付き合いしない方針なので…」と、はっきり断る人もいるとか。
 しかし、アフター5を自由に使いたいのは上司も同じこと。それでも部下を誘うのは、何か大切な理由があるからでしょう。もしかすると、職場では話しづらい用件があるのかもしれないし、こちらの意見をじっくり聞きたいのかもしれません。
 いずれにしても、部下にとってもプラスなことがあるはずなので「時間外で仕事はシャットアウト」と決めつけず、柔軟に対応したいものです。
 ただ、急に誘われれば都合の悪いこともあるでしょう。

 そんな時は、まず「お誘いいただき、ありがとうございます」と、感謝の気持ちを表し、
「せっかく声をかけていただいたのに申し訳ないのですが…」
「せっかくお誘いいただいたのに恐縮ですが…」

 と、お詫びの言葉を頭に置いてから、断る理由を続けます。

 断る理由はあまり細かく伝える必要はありません。下手に「映画を観に行こうと思っているので」などと話すと「上司の話よりも、映画のほうが優先されるのか。映画なんていつでも観られるだろう」などと思われかねないからです。
 こんな時はシンプルに、
「今日はあいにく先約がありまして」
「今日はあいにく外せない用事がありまして」
 のように言います。「先約」や「外せない用事」と言えば、常識のある人であれば、根掘り葉掘り聞くような真似はしないはずです。
 また、「あいにく」という一言が入っているので「ご一緒できずに残念です」という気持ちを表せます。

 もし、違う日に都合がつくのならば、
「ですが、明日なら大丈夫です。いかがでしょうか?」
「木曜日なら時間が取れます。課長のご都合はいかがですか?」

 のようにつなげます。
 あるいは、
「これに懲りずに、また誘ってください」
「これに懲りず、また声をかけてください」

 と、それっきりにするのではなく、仕事のできる人はきちんと次につなげていくのです。

 そして、誘いを受ける際には、まず「ありがとうございます」とお礼を言ってから、
「ご一緒させていただきます」
「お供します」

 のように言います。

 気を付けてほしいのが「飲みに行こう」→「いいですよ」という受け答え。「いいですよ」は、相手に許可を与える表現です。許可を出すのは目上の人の役割なので、部下が使ってはいけません。
 大切なポイントは、行くにせよ断るにせよ、感謝の気持ちで受け答えすることです。

◆角を立てない断り方
× 今夜は映画を見に行く予定があるので
〇 今夜は外せない用事があるもので…
〇 あいにく先約がはいっておりまして…
〇 せっかくお誘いいただいたのに恐縮ですが…
【ポイント】断るときも、残念さと感謝を表そう


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