知ってる? ワインの色は赤、白、ロゼだけじゃなかった!

雑誌『一個人』編集部です。
このタイトルを読んで、「えっ、違うの?」と思ったワイン好きの方。
ぜひ読んでほしいです。ワインを「選ぶ・感じる」楽しさが更に広がりますよ!
大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子さんにワインを「目でも楽しむ」方法をご紹介してもらいます。

—————————————————————

いらっしゃいませ。

大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子と申します。

ワインの色は、赤、白、ロゼだけと思っていませんか? 実は、それ以外にもワインの色があるのです。

ワインの色からは、実はいろいろな情報が得られるのですよ。

そこで今回は、さまざまなワインの色の表現法と、今の季節にオススメな「緑のワイン」をご紹介します。

画像1

左から白、ロゼ、赤のワイン。ワインの色には、この三つ以外にも種類があります。

◆ワインの色もいろいろ

ワインは、香りや味わいを楽しむものですが、見た目の色合いからも楽しむことができます。ワイングラスは、透明なものがほとんどですよね。それは、ワインの色を見やすくするためです。

テイスティングする際には、テーブルの上に白い紙やクロスが置かれていることが多いのもそのため。ソムリエの二次試験でも出題されるテイスティングとは、「外観」「香り」「味わい」を感じ取ることをいいます。

目ではワインの色を、鼻ではワインの香りを、口ではワインの味わいを感じます。ワインとは、目と鼻と口で感じる飲みものなのです。

◆ワインの色

数あるワインの中には、黄色ワインといわれるものもあれば緑のワインもあります。また、黒ワインや灰色ワインもありますし、最近話題になったオレンジワインというのもあります。

では、さまざまなワインの色をみていきましょう。

*黄色ワイン*

画像2

名前の通り黄色の外観をしています。またの名を「ヴァン・ジョーヌ」といいます。ジョーヌとは、フランス語で黄色の意味なので、「黄色のワイン」と呼ばれています。フランスのジュラ地方で造られており、ブドウ品種はサヴァニャンのみを使用し、熟成期間は樽でなんと! 最低6年間と決められています。熟成の間に澱引き(おりびき)や補酒は禁止されるなどとても厳しく管理されています。産膜酵母(さんまくこうぼ)が発生して独特な香りがつき、アーモンドやナッツのような香りがします。

ヴァン・ジョーヌのボトルには特徴があり、通常のワインボトルは750ml容量ですが「クラブラン」というボトルに瓶詰めされ、容量は620mlと少し小さめです。

*緑ワイン*
名前の通り緑色の外観をしています。またの名を「ヴィーニョ・ヴェルデ」といいます。

ヴィーニョ・ヴェルデとは、ポルトガル語で「緑のワイン」という意味。ポルトガルでは昔から親しまれていて、爽やかな酸がありシュワっとした微発泡のワインです。

なぜ緑のワインと名付けられたかというと、もちろんワインの色が緑色ということと、若く摘まれたブドウから造られているということからです。

それは、ヴェルデ(緑)という言葉には、日本語での「青い」と似たような意味を持っており、「若々しい、未成熟な」という意味もあるのです。

通常のワインは、ブドウが完熟し糖度が高くなってから収穫をしますが、緑のワインの場合は、まだ熟していないブドウ、糖分の少ないブドウを収穫して造ります。そのため、アルコール度数が低く、酸味の強いワインに仕上がるのです。糖分がアルコールに変わりますから糖分が少ないとアルコールが低くなります。

柑橘系の香りと、もぎたて果実を口に入れたようなみずみずしさを感じます。

キリっとした酸味にフレッシュでフルーティな味わい。ほのかな泡とアルコールの低さが飲みやすくさせてくれます。

これからの暑い季節においしいワインです。

*黒ワイン*

画像3

名前の通り非常に濃い色に由来する呼び名で外観は黒色をしています。ポリフェノールが多く、強い渋みが特徴です。フランスの南西地方にあるカオール地区で造られ、マルベックというブドウ品種70%以上使用している赤ワインのことをカオールの黒といい、通称黒ワインと呼ばれています。

タンニンが豊富で濃い赤ワインは長期熟成にも向いています。

ポリフェノールをたくさんとりたい方に黒ワインはオススメです。美肌効果が期待できますよ。

*オレンジワイン*

オレンジ

名前の通りオレンジ色の外観をしています。白ブドウを使って赤ワインの製法で造られるワインのことをいいます。

通常白ワインは、果皮と種を取り除き果汁だけで発酵して造られるのですが、オレンジワインの場合は、果皮と種を取り除かずにそのまま一緒に発酵させて造ります。

そのため、果皮や種から色が出て、オレンジ色となるのです。

*灰色ワイン*

画像5

名前の通り灰色がかった外観をしています。またの名を「ヴァン・グリ」といい、グリとはフランス語で灰色という意味です。

果皮が藤色や桃色などの黒ブドウ(灰色ブドウ)から造られている白ワインのことをいいます。

*ウズラの目の色ワイン*

画像6

スイス西部にあるヌーシャテル州でピノ・ノワールのみを使用して造られるロゼワイン。


名前の通りヤマウズラの目の色の外観をしており、またの名を「ウイユ・ド・ペルドリ」といいます。フランス語でウイユは目、ペルドリはヤマウズラの意味で直訳するとウズラの目という意味です。なぜウズラの目の色ワインと名付けられたかというと、ヤマウズラの目はオレンジ色がかったピンク色をしています。このロゼワインの色がヤマウズラの目の色に似ていたからです。

◆梅雨のじめじめを吹き飛ばす、見た目も味わいもスッキリ爽やかなオススメワイン

テッラ

Terra Nossa Vinho Verde
(テッラ・ノッサ ヴィーニョ・ヴェルデ) 

じめっとした梅雨を吹き飛ばすのにぴったりなのは、キリっとした高い酸味が特徴の緑のワイン。ヴィーニョ・ヴェルデとは緑のワインの意味でしたね。ちょっぴりシュワっとした微発泡のところが、口の中をより爽やかにしてくれます。

フレッシュでキレのある酸味。微発泡感が心地よくフルーティで口当たりがとてもいいです。スッキリ爽快感をあたえてくれます。

エチケット(ラベル)には、ポルトガルを象徴する「美しい港町」「ファド」「路面電車」と3つのイラストが描かれています。

アルコールは9.5%と低めなので飲みやすく、キンキンに冷やしてゴクゴク飲みたいワインです。すっきりした味わいなので、素材の味を活かした和食とも相性抜群です。

お手頃な価格なのも魅力のひとつ! デイリーワインとして楽しめます。

タイプ:微発泡白ワイン
産地:ポルトガル
ブドウ品種:アリント40%、トラジャドゥーラ30%、ロウレイロ30%
価格:880円(税抜き)※参考価格


いかがでしたでしょうか。

今回頭に入れていただきたいのは、以下の3つです。

①ワインは「味わい」だけでなく、「外観」や「香り」も含めて楽しむもの②ワインの色にはさまざまな表現法がある
③じめじめした季節や暑い夏には、見た目も味わいも爽やかな緑ワインがオススメ


ワインの色のお話は、ワイン好きな方との会食やワイン好きな女性とのデートにきっと役立ちますよ。

実際にお店で探して飲んでみるのも楽しいですね。

『私の時間を楽しむ」生活情報』マガジン、良かったらフォローしてください!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集