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ディズニーシーの知れば知るほど面白くなる雑学


子供はもちろん大人が夢中になれる夢の国・ディズニーシー。世界初、「海」をテーマにしたディズニーパークとして誕生し、今年9月には18周年を迎えます。ディズニーシー・マニアのみっこさんが、十数年間にパークに通って集めた、細かな雑学や効率的な楽しみ方、意外に知られていないテクニックやトリビアが詰め込まれた本『701回通ってわかった ディズニーシーで史上最高の1日を過ごす方法』を、今日から特別掲載(無料公開)していきます。「ワンランク上のディズニーシー」の楽しみ方を発見してください!
※本書の内容は2016年4月15日現在の情報をもとに構成しています。また、この内容は筆者独自の取材や見解に基づくものであり、公式のものではありませんのでご了承ください。
【隔日18:00に更新】

細かなプロップス(小物)にも注目

 シーの特徴として特筆したいのが、世界観を盛り上げる「プロップス」。いわゆる「小物」のことで、アトラクションやレストラン、ショップなどに、さりげなく置かれています。そして、ひとつひとつに細かな物語が設定されていることが多いのです。

 例えば、メディテレーニアンハーバーの蒸気船「トランジットスチーマーライン」の乗り場には、ワインの瓶や木箱、さまざまな書類や工具のようなものが多く見られます。これは、同エリアのレストラン「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」でつくられたワインが出荷されている、という物語があるからなのです。
 木箱に詰められたワインや、イタリアの各地に出荷するための伝票や書類なども確認できます。

 こうしたこだわりは「小物」だけではなく、壁や床、机などの「傷」や「汚れ」などにも見られます。

 例えば、アメリカンウォーターフロントにある「レストラン櫻(さくら)」。元魚市場という物語があるのですが、店内中程にある、元調理場を思わせるテーブルには、「魚をさばくのに使っていた包丁の細かな傷」がついています。
 また、ショップ「マクダックス・デパートメントストア」の東側(河がある側)の古い倉庫の入口下には、「台車を押しつけたような跡」があり、荷物を出し入れした形跡が感じられます。
 パーク内には、建物や壁をわざと古く見せるために「エイジング」という技術があちこちに使われています。塗装の色合いや質感を変えるだけでなく、人々の息吹が聞こえるような「生活の跡」を刻み込んだりしているのです。

ホットドッグの包み紙を見てみよう

 20世紀初頭のアメリカをモチーフにしたエリア・アメリカンウォーターフロント。ここにある、赤と黄色の車体が目をひくフードワゴン「デランシー・ケータリング」は、シーの5周年イベントが開始される直前、2006年7月に登場しました。
 ここで販売されているのはニューヨークの街並みに似合う、シンプルなホットドッグ。その包み紙を見てみると、さまざまな記事が英語で書かれています。

 一番大きな文字で目立つのは「STEAM BOAT MICKEYS(スチームボート・ミッキーズ)」。これは、同エリアに実際にあるショップの名前です。ほかにも以下の表のような、おもしろいものがたくさん書かれています。

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例えば、「トランジットスチーマーライン」の広告。こちらの記事には「船長と一等航海士募集中。無風状態の海上で長い時間を過ごしたことがありますか? 蒸気船キャプテンとしての経歴を考えてみてください。最新の船であなたの選んだルートを進みます。そしてほとんどの夕食は自分の家でとることができます。お問い合わせはいずれかのスチーマーラインドックで」と書かれています。
 これは、それまでの時代の主流であった、風の影響に左右されるヨットや帆船ではなく、蒸気で船が自由に動くことができるので、「いつも決まった時間に家に帰って夕食が食べられます」という意味です。こんなところにも時代が移り変わる描写がされているのです。

 また、「電話」の会社なのに「書面でお問い合わせ」という、一見ジョークにに見える電話会社の広告。まだ電話が普及していなかった時代だからこその記述なのでしょうね。
 この「ホットドッグの包み紙」、単なる古い新聞のデザインではありません。実際のアメリカンウォーターフロントの背景や物語まで、つくり込まれているのがすばらしいですね。

シーのグランドオープンの日付がパーク内のあちこちに隠されている

 パークファンにとっては、「忘れられない日」というものがいくつか存在します。例えば「9月4日」は、東京ディズニーシーのグランドオープンの日(2001年)です。

 この記念すべき日付は、パーク内の意外なところにまで刻まれています。

 例えば、メディテレーニアンハーバーにあるショップ「イル・ポスティーノ・ステーショナリー」の外にあるショーウインドウ。ここに飾られている日めくりカレンダーの数字が実は「9月4日」になっているのです。飾られる商品は季節で変わりますので、このカレンダーの場所も変わることがあります。
 また、「インディ・ジョーンズR・アドベンチャー」のジョーンズ博士の机にある、日本語で書かれた「國際ジャーナル」という新聞。この日付が、「昭和10年(1935年)9月4日(水)」になっています。こちらは肉眼では確認できないくらい小さなもので、望遠レンズで撮影し確認しました。

 また「タワー・オブ・テラー」は、閉鎖された謎多きホテルを舞台にしたホテルツアーが開催されるというストーリーですが、ツアーの開始日も「1912年9月4日」という設定。それに合わせて、実際にアトラクションが正式に公開されたのも2006年9月4日です。
 記念すべき第一歩が刻まれたグランドオープンの日。こうしてパーク内にひっそりと大事に刻まれているのは、パークをつくり上げた多くの人々の努力に感謝する意味があるのかもしれませんね。

プロメテウス火山はエリアによって見え方が異なる

 プロメテウス火山はパークのほとんどどこからでも見えます。「ランドマーク」としての意味のほか、ゲストが火山を見てどの位置にいるのかを知ることができる、という役割もあるのです。
 このプロメテウス火山、実は7つのテーマポートそれぞれによって、見え方が異なるのです。ここではその特徴をご紹介します。

⒈メディテレーニアンハーバー

 パークに入って最初に私たちが目にするメインエリアからは、山の稜線や輪郭がはっきりとわかる、壮大な姿が見えます。ここからが一番存在感があり、美しく見えるでしょう。

⒉アメリカンウォーターフロント

 にぎやかな街並みが並ぶ都会のエリアからは火山があまり見えず、少し遠い存在になっています。ハドソンリバー沿いの港からは遠くに見え、郷愁を感じさせる風景になっています。
 また、都会から離れた、のどかな田舎町であるケープコッドから見える火山は荒々しさはなく、植物が見えたり、滑(なめ)らかな形をした岩山の雰囲気が表現されているのがわかります。

⒊ポートディスカバリー

 未来の港である、このエリアから見た火山は、高さも迫力も感じられず、「単なる岩山」のよう。まるで火山活動が終わってしまった「死火山」の雰囲気さえ感じられます。ポートディスカバリーが「未来」をイメージしたエリアで、気象コントロールセンターという自然現象を研究する機関があり、「自然の驚異さえも克服してしまった」というイメージがあるからだと思われます。

⒋ロストリバーデルタ

 中央アメリカのジャングルで、未開の地という設定のエリア。インディ・ジョーンズ®・アドベンチャーなどがある河の西側はほかのエリアよりも地面が低くなっており、樹木が生い茂っているため、視界が狭いの特徴です。
 ここからは、実は火山はまったくと言っていいほど見えないのです。見えたとしても、先端部分のみ。未開の奥地ということをこんなところでも表現しているのですね。

⒌ミステリアスアイランド

 火山の内部と言える場所。溶岩が流れ出て、噴煙があちこちから噴き上がり、まさに「活火山の雰囲気」。むき出しになった岩肌や尖った岩石、強風が吹き荒(すさ)ぶ音なども迫力があります。一番荒々しく、そして同時に神々しくさえ感じる場所と言えるでしょう。

⒍マーメイドラグーン

 マグマが冷えて固まったような部分が、遠くにわずかに見えるのみ。キング・トリトン・キャッスルの前からはほぼ見えません。
 海底王国であるマーメイドラグーンでは、「曲線の流れるような美しい風景」と、「荒々しい火山」が同じ視界に入らないように配慮されています。

⒎アラビアンコースト

 建物に囲われている部分が多く、実質的にはほとんど火山の姿が見えません。
 アトラクション「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」の前に停泊しているダウ船の近くからは、あくまで「遠くに見える山」として存在が確認できるのみ。火山の噴火の様子を感じることはほとんどできません。遠く離れたアラビアの国というイメージを大事にしているためだと思われます。

 以上のように、ランドマークとしての役割を持ちながらも、こだわりの風景をも演出するプロメテウス火山。各テーマポートから見える「表情の違い」を確かめてみてください。

船の名前を探してみよう!

 混雑時にぜひ試してみてほしい「シーならでは暇つぶし」が、船の名前とその意味を探すこと。
 海をテーマにしているシーでは、各テーマポートに船が何隻も浮かんでいます。これらの船に刻まれた名前を調べてみると、各テーマポートに関連した意味があるなど、なかなかおもしろい趣向が凝らされています。
 そんな船の名前と意味を、以下のようにまとめてみました。お暇な時は探してみてはいかがでしょうか。

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