驚愕の0.00ミリ…「液体コンドーム」を試す勇気があるか!? -中国のSEX事情-
世界の性を知ると、日本におけるそれとの差に驚くことが多いものだが、特に中国は「マジで?」のレベルがひと味もふた味も違う。今回はそんな中国で流通している知る人ぞ知る「薄さ0.00mmのコンドーム」の実態に迫った。
果たして我が国はGDPに次いでコンドームの薄さでも抜かれてしまうのだろうか?
<執筆者プロフィール>
●もがき三太郎
日本で十数年、出版業界に従事する中で、やがて趣味と実益を兼ねた海外風俗遊びがライフワークとなる。校了前の週末弾丸ツアー時でさえも最低5人は行く豪腕スタイル。現在は海外と日本を行き来しながら様々なメディアに風俗、ドラッグ、政治ジャンルの記事を寄稿している。
■中国のグレーすぎる避妊具
男にとってコンドームは薄ければ薄いほど好ましい。というよりも、できれば着けずに行為を行いたいと考える読者も多いだろう。いかに薄さが0.02ミリ、そして0.01ミリになろうとも、膜は膜なのである。
もし「着けてもいい」と思えるものがあるとしたら、それはこの世でただひとつ、夢の0.00ミリ…などという思考回路の持ち主は決して少なくない。性欲原理主義者、または女の敵。どう呼ぶかは別として、彼らが普通のセックスではもはや満足できない重い十字架を背負った男であることは間違いない。
理性ある方にとっては信じがたいかもしれないが、彼らは生でなければ、セックスとは認めない。でも、本音を言えば病気は怖い。カミカゼ特攻で辺り構わず子種を撒き散らしながらも、心の奥底では不知の病を恐れ、震えているのだ。
そんな原理主義者たちが渇望してやまない、0.00ミリコンドームという見果てぬ夢。実を言うと、既に海の向こう中華の大地で、とっくの昔に現実のものとなっている。薄さゼロの液体型コンドーム、中国語で「液体套(イエティタオ)」。女性の局部にローション状の液体を注入するだけでコンドームの代わりになるという、にわかに信じがたい代物である。
さすがに薬局では売っていないものの、中国ではネット通販を主なルートとして普通に流通しており、子供だろうが外国人だろうが簡単に、しかも激安で購入できてしまう立派な合法商品だ。
しかし、コンドームは一歩間違えれば性病だけでなく妊娠リスクにも繋がるだけに、信頼性が何より重んじられるもの。粉ミルクで死人が出たり、電化製品が突然爆発するようなメイド・イン・チャイナに全幅の信頼を置ける日本人は、そう多くないだろう。なにせ昔よりはマシになったとはいえ、何しろ中国人自体が自国商品を信じていない。液体コンドームとか言って中身は単なるローションでした、なんてことも十分ありえるお国柄。
ではあるが、もし本当に効果があるなら一部の人にとってみれば歴史に残る偉大な発明に他ならぬ。その偉業は彼らの末代まで語り継がれるに違いないだろう。
さて…液体コンドームの実力はいかなるものか。実際のところを調べるには、体験してみること、使っている人に話を聞くことが一番である。製造元に聞いたところで「安全です」「大丈夫です」としか言わないに決まってるからだ。中国人が言う「大丈夫」とは「(根拠はないけど)たぶん大丈夫」という意味である。
真相に迫るには、自分自身が取材するより他になし、というワケでわたくし自ら身体を張って、約3年間に渡って人体実験を行った結果を、専門家の所見なども交えつつレポートしたい。なお、本題に入る前に、取材が一区切りしてからSTD検査を受けた結果、とりあえず「オール陰性」であったことは、先にご報告しておきたい。
■実際に…使っているの?
さて、この方面の話題に詳しい方ならば言うまでもないことだが、コンドームは100%性病や妊娠を防ぐものではない。というかそもそも「コンドームは破ける可能性があるもの」として商品化されており、万が一行為の途中で破裂しようが、コンドームメーカーは法的責任を問われない。嘘だと思うなら手元にあるコンドームの箱にある細かい字で書かれた説明書きを熟読してみればよい。
他にもコンドームには、世間にあまり知られていない業界常識がいろいろある。例えば0.01ミリコンドームなるものだが、あれは厳密に言うと0.02ミリ以内、極端なことを言えば薄さが0.019ミリだったら0.01ミリと謳ってよいというよく分からない決まりがある。0.02ミリの商品だって、実際には限りなく0.03ミリに近いということもあるわけだ。
コンドームって結構あいまいなものなのね、と感じた貴方。日本ですらこの調子なのだから、中国なんぞ推して知るべし。そんな国で生まれた夢の製品を、一体どうして信頼できようか…といった日本人の心配をよそに、大陸では普通に使われている液体コンドーム。
我々が手っ取り早く体験できるのは、やはり風俗となる。
最近は中国全土で取り締まりが厳しくなったこともあり「液体コンドームOKよ」なんていう嬢もだいぶ減ったが、上海あたりではまだまだ乱用されまくり。というか、ほんの数年前までは、在籍嬢の半分以上がOKなんていう地獄の一丁目みたいな店も結構あった。
彼女たちが液体コンドームを使う最大の理由は、稼げるから。大陸にも原理主義者は多いのだろう、液体コンドームOKの子にはとにかく客がつく。そこそこ年齢がいってたり、ビジュアル的に見劣りする子が、金のためにやむにやまれず解禁するケースがまず多い。それから、ありとあらゆるプレイに対応できることをウリにする完プロの子や、何にも考えず何となく使ってしまっているダウナー系の子もたまにいる。
あとは、中国奥地の超ド田舎からやってきた(もしくは連れてこられた)若い小姐だろうか。仕事内容は殿方の相手をすること、くらいの予備知識だけでいきなりぶっつけ本番で仕事をさせられるのだが、こういう子を1日でも早く慣れさせるため、とにかく客をつけまくろうと店をシメてるママさんが一計案じて液体コンドームを使わせることもある。まさしく修羅の所業に他ならないが、某極悪店のマネージャーに言わせると「数カ月もすればズブの素人が鍛え抜かれて、10代にして雑技団並みの性技を身につけてしまう」のだという。
ちなみに中国風俗では、日本と違ってただ若いだけではそれほど客がつかない。中国男が抱きたい女の条件とは、美人で背が高いこと。それゆえに、身長とビジュアルのどちらも持っていない、でも金がとにかく欲しいなんていう若い子が、液体コンドームという禁じ手を使いがち、いや使わされがちなのである。
■3年間の聞き取り調査を実施してみた
「実際、性病とかどうなの?」と、中国風俗で働く女の子に聞いたことが何度もある。ちなみに店のマネージャーやママさんにも幾度となくこの質問をぶつけたが、答えはすべて「大丈夫」。要するに彼らに聞いても時間の無駄で、実際毎日使ってる小姐たちに問うより他にない。
聞き取り取材の手口はこうである。
① まず、堂々と生OKの子を指名する
② 小姐が液体コンドームを取り出したら「何だこれはっ…日本にこんなものはない!」と言う。
③ 「君みたいな可愛い子と着けずに出来るなんて…なんと幸運であることよ」などと嬉しそうに驚く。
④ おもむろに「でも、妊娠したり…しないのかい?」と優しそうに聞く。
⑤ ついでに性病のことも聞く。
こんなことを、3年間で100回以上は繰り返したと思う。そのうち半分くらいは同じ店。女の子たちは待機室も同じなら下手すりゃタコ部屋住まいなので「また液体コンドームでしらじらしく驚く奴が来てるわよ」みたいな感じで店では噂になっていただろう。いや、きっと「日本の中出し犬野郎」とかあだ名をつけられていたかもしれない。
それでもめげずに聞き取り&取材を続けた結論として、妊娠したという話は一度も聞かなかったのは事実。仲良くなった子の話では、ジェル状の液体に含まれる精子の殺傷能力が半端ないらしい。というか精子はおろか、使い続けていると女性側の粘膜が荒れるので、妊娠よりもそっちが怖いとのことだった。
これは風俗で働く子だけでなく、中国人全般に言えることだが、彼ら&彼女らは「万が一」ということをあまり考えない。何か想定外のことが起きたら、それはその時。うっかり妊娠してしまったらどうしよう、なんていう意識は少なくとも液体コンドームを使っている子には希薄なように思われた。
では性病は、というと「検査しないから分からない」という答えが多かった。それからよく耳にしたのは、性病よりもノドの感染症で熱が出て仕事ができない方が多いというエピソード。それって液体コンドームとは関係ないオーラルセックスでの感染談、であると同時にやっぱり中国でも普通に性病は蔓延している証左でもある。
簡単にまとめれば、妊娠はともかく性病に関しては「まぁ大丈夫っしょ」的なノリで女の子たちも使っているに過ぎないのだ。
■男の意地と夢を込めた調査結果はいかに…
3年間、このテーマを追うべく湯水のごとく金を使い、得られた答えが「たぶん大丈夫」。そんなの納得できるわけがない。そこで奥の手発動。個人的なツテをたどり、某コンドームメーカーの研究開発に携わる知人に、中国産液体コンドームとは本当に信用してよいものなのか聞いてみた。以下は、絶対匿名を条件に返ってきた答えである。
「液体のコンドーム、確かに中国で売られていますね。あれって、確かに避妊効果はあるんです。液体の中に精子を殺す成分が入っていますから。液体コンドームを分かりやすく例えるならば、膣に中性洗剤を入れるようなものなんです、台所用洗剤をイメージしてもらえればいいかもしれません。もちろん100%ではありませんが、なにも使わないよりは妊娠リスクはグっと減るでしょう。
ただし性病を防げるかというと、話は全く別。HIVや肝炎などウイルス性の性病をどこまで防げるか疑問です。中性洗剤というのは殺菌効果はあっても、ウイルスを完全に防ぐものではありません。菌による感染の性病だって、どこまで検証した上で製品化しているのか怪しいものです。こんなものを日本で商品化するなんて考えられませんよ」
…夢、破れたり。
性病にかかることなく生で楽しむなどという都合のいい話は、やはりこの世に存在しなのである。性病なにするものぞと腹をくくるか、それとも大人しく着けて楽しむか…全ては結局自己責任。止めても無駄な人に「そんなことはおやめなさい」などと説教たれるつもりは毛頭ないが、一瞬の快楽のために払わされる代償の大きさに、たまには思いを寄せてみることも必要だ。
泣いても笑っても命はひとつ。人生は一度きり。どうか皆さま、安全で気持ちのよいセックスライフをお楽しみください。
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風俗店の在籍嬢カタログには可能プレイが時に隠語混じりで書かれている。「无套」とはコンドーム無しの意で、隠語は「WT」。よく見る「小特服」は「小特殊服務」の略で、いわゆる「中出し」を指す。
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