家飲みワインのお悩みはこれを読めば一気に解決!(保管、開け方、保存法、余ったときの活用法など)
雑誌『一個人』編集部です。
買ってきたワイン、どこに保存していますか?
ワインを飲んで余ったとき、皆さんはどうしていますか?
おうちでワインを楽しむ至福の時間。
いちばん美味しい状態で飲みたいものですね。
大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子さんがワインをおいしくいただくための「ワインの扱い方」をご紹介します。
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いらっしゃいませ。
大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子と申します。
さて、ワインを購入したらいよいよ家飲みですね。
家飲みにあたっては、ワインの保管場所やワインの開け方、おいしくワインが飲める温度、残ったワインの保存法、ワインを開けた後の賞味期限などたくさんの疑問が出てきますよね。
そこで、今回はそんな疑問の解決策をお伝えします。
ワインの保存はどうしたらいいの
「ワインは家のどこに置いたらいいですか?」とよくお客様から聞かれます。
ワインの保管場所に悩んでいる方は多いようですね。
ワインの保管は、温度変化が少なく、振動がなく、光が直接当たらない暗い場所が最適です。
温度は12~15℃、湿度は70~75%がベスト!
とは言うものの・・温度変化のない場所なんてなかなか見つからないですよね。
日本は四季があり家の中の温度は変わります。
いちばん簡単なのは、ボトルに新聞紙を巻いて冷蔵庫の野菜室で保管すること。
その際さらに、キャップシールの部分をラップして輪ゴムで止めておくとコルクの乾燥を防いでくれます。
「そんなに冷蔵庫にワインが入らない!」
という人は一度にたくさんのワインを買わずに(ケース買いしてしまう気持ちも分かりますが・・笑)飲む量を考えて購入しましょう。
ワインショップや酒屋では温度管理がされているので安心ですよ。
冬は、床下収納やクローゼットなどに紙に包んで横に寝かして保存する方法もアリ。
夏は、気温が上がりすぎるため液漏れしてワインが傷んでしまいますので必ず冷蔵庫に入れておきましょう。
何十年も寝かして置きたい高級ワインでしたら、ワインセラーの購入をおすすめします。
傷んでしまったらせっかくのいいワインが台無しですからね。
ワインの賞味期限は
「2.3年前に友人からもらったワインがあるのですが飲めますか?」とお客様に聞かれます。
ワインはボトルの中でも熟成していくので賞味期限はありません。
熟成によって香りや味わいが変化していくワインは不思議な生き物?!なのです。
とは言っても、ワインは熟成すればおいしくなるというものでもなく、飲み頃のピークというものがあるのです。
早く飲んだ方がおいしく飲めるように造られたものもあれば、2~3年熟成するように造られたもの、10年以上熟成をするとおいしくなるように造られたものがあります。飲み頃のピークがワインによってそれぞれ違うのです。
大きく分けて、「早飲みタイプ」「通常タイプ」「長期熟成タイプ」があります。
目安としては、早飲みタイプは1~3年、通常タイプは2~10年、長期熟成タイプは5~10年ぐらいで飲み頃のピークを迎えます。
飲み頃のタイプは、価格から見分けることができます。
1,000円台の白ワインは早飲みタイプで1~2年ぐらいで、赤ワインは1~3年ぐらいが飲み頃です。
このタイプに該当するボジョレー・ヌーボーは、できるだけ早く飲むのがベストです。2ヶ月ぐらいまでには飲みましょう。 毎年11月の第3木曜日が解禁日ですので、年内には開けて飲むことをオススメします。
1,000円~5,000円ぐらいのワインは、通常タイプで2~10年ぐらいが飲み頃。
10,000円以上するワインは、長期熟成タイプで5~30年が飲み頃です。
コルク型ワインの開け方
ソムリエナイフを使ってみましょう。
いよいよワインを飲むときがきました。まずは、ワインを開けてみましょう。
最近では、簡単に開けることができる電動式のワインオープナーやハンドルを握って引き下げするだけのワインオープナーがありますが、
カッコよく開けるのには、やっぱりソムリエナイフがいいですよね。
①ボトルの首にソムリエナイフの刃をあて、
まずは右回りにキャップシールの半周分
切り目をいれます。
②ソムリエナイフを持ちかえ 、
残りの半周は左回りに切り目をいれます。
③一周切り目がはいったら、下から上に縦に切り目をいれ、キャップシールをはがします。
④ワインボトルの口をナプキンで拭きます。(年代もののワインは、コルク部分にカビが生えていることがあるため)
⑤コルクの中央にスクリューの先端を垂直に突き刺して、まっすぐ差し込みゆっくりとスクリューを回していきます。※スクリューを寝かした状態から差し込んでから、垂直に起こすと簡単に中央にさせますよ。
⑥ボトルの口にフックを引っかけ、レバーを持ち上げます。
⑦最後は、ゆっくり手でコルクを抜いていきます。
スクリューを入れすぎると、コルクを突き抜けてコルク片がワインに落ちてしまうので注意してくださいね。
コルクが抜けない場合はワインボトルを横にする
コルクがかたくて抜けないときってありますよね。
ワインを立てて保管しておいたため、コルクが乾燥して抜けにくくなっているからです。
そういうときは、ワインボトルを横にして30分か1時間ぐらい寝かせると、抜けやすくなります。
コルクが折れてしまった場合
コルクが割れて瓶の口のところに残ってしまったことはありませんか?
焦らなくても大丈夫!
まず、スクリューを斜めにコルクが貫通するまで入れます。
そして、ゆっくりコルクが割れないように引き上げていきます。
コルクがどうしても抜けない場合
コルクがボロボロになってどうしても抜けなくなってしまったら、思い切って奥に押し込みましょう。ワインにコルクが入ってしまっても害はありません。茶こしかコーヒーフィルターで濾しながら注いでくださいね。
ワインのおいしい温度
ワインには、おいしく飲める温度があるって知っていますか?
ワインの温度が低いと、酸やタンニンが強くなります。温度が高いと、香りがよく立ちタンニンがまろやかになります。このように、温度の違いによってワインの味わいが変わります。
また、ワインの種類によっても、それぞれおいしい温度があるのです。
酸味の効いたキリっとした白ワイン・甘口の白ワイン→6~10℃
コクのある高級白ワイン→10~13℃
渋みが少なくフルーティなライトボディの赤ワイン→14~16℃
渋みのあるしっかりしたフルボディ→16~18℃
ただ、 ワインの温度を計るとなるとなかなか難しいですよね。
簡単にできるのは、冷蔵庫からワインを出すタイミングを、はかることです。
シャンパンやスパークリングワイン、ロゼワイン、甘口のワイン、キリっとスッキリした白ワインは冷蔵庫から出してそのまま飲めます。
コクのある白ワインや渋みが少なくフルーティなライトボディの赤ワインは、飲む1時間前に冷蔵庫から出しておけばいいのです。
渋みが強くてしっかりとしたフルボディの赤ワインなら、飲む3~4時間前に冷蔵庫から出しといたら適温になります。
残ったワインの保管方法は
一番左:かぶせるだけのワイン保存器具
右三つ:空気を抜くタイプのワイン保存器具
開けて残ったワインは栓を締めて冷蔵庫で保管します。
ワインは空気に触れると酸化して味や香りが逃げていきますので、栓はしっかりと締めましょう。スクリューキャップならそのままキャップを締めて、コルクならコルクを逆さ向きにねじ込んでおけば大丈夫です。
また、シュポシュポと空気を抜くワイン保存器具や、今話題のかぶせるだけで酸化の進行を遅らせるワイングッズ もオススメです。
そんなの面倒という人はペットボトルにワインを移し変え、空気に触れる面積を少なくして冷蔵庫に入れておくと少し長持ちします。
栓を開けた後の賞味期限は
栓を開けたワインは、冷蔵庫に入れておけば白ワインは2~3日ぐらい、赤ワインは3~4日ぐらいなら美味しく飲めますよ。
ワイン保存器具を使うと1週間ぐらいは、長持ちします。
余ったワインの活用法は
ワインが余ったときは料理などに使ってみては?
1週間が過ぎて余ったワインは、ワインカクテルや料理に使うのがオススメです。
こんなワインスプリッツアにも変身させられます。
ワインを炭酸水やジュースで割ったり、フルーツで漬け込んだりとサングリアやホットワイン、ワインスプリッツァに大変身させて!
魚や肉の臭みをとるための下ごしらえや、ワイン蒸し、ハンバーグソースやステーキソースを作るときに、ポトフやビーフシチューなどの煮込み料理にも活用できます。
浴槽に余ったワインをどぼどぼと入れてワイン風呂にするのもいいですよ。
血行促進と美肌効果があります。
いかがでしたでしょうか。
今回頭に入れていただきたいのは、以下の3つです。
①開けていないワインは、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に保管すること。
②ワインには、「早飲みタイプ」「通常タイプ」「長期熟成タイプ」と飲み頃のピークがある。
③開けたワインは、栓をして冷蔵庫で保管すること。
家飲みでのワインの扱いが分かれば、ワインをおいしい状態で楽しむことができます。
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