小物を見れば 深い物語が見えてくる ~十数年、年間パスポートでディズニーに通う達人・みっこが教えてくれる⑳~
五月に入って、気温もグングンあがって、お出かけ日和な日も増えてくる季節。スペシャルな時間を過ごすためにディズニーリゾートでいく人もいると思いますが、できるだけ混雑は避けたいもの。混雑しないスポットや、意外な楽しみ方を知っておきたい。そこでディズニーの達人・みっこさんに聞いた混雑回避テクニック本『ディズニーの待ち時間を劇的に減らす方法』の内容を本日から毎日、少しずつ特別掲載(無料公開)していきます。ならではの楽しみ方も満載です。【隔日18:00に更新】(『ディズニーの待ち時間を劇的に減らす方法』著/みっこ より引用)
小物を見れば 深い物語が見えてくる
パークの中では、各アトラクションや各テーマエリア等、基本的にはそのエリアのみを舞台にした物語となっている事が多いです。
しかし、小物や造形物をみてみると、アトラクションやエリアを超えたつながりが発見できる事があります。
レイジングスピリッツは電気を盗んできている
ディズニーシーの「レイジングスピリッツ」と「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」。ご存じのとおり、隣り合っているアトラクションです。
「レイジングスピリッツ」でスタンバイ列を進むとキャストが人数確認を行う場所があります。この場所の右側の壁を見ると、穴が開けられ電線が外へ引っ張られている様子がわかります。
キャストによると、「レイジングスピリッツ」の発掘調査隊が、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」の建物から電気を盗んでいるのだとか。 「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」は、インディ・ジョーンズ博士が若さの泉を求めて古代神殿を発掘中、という物語でしたね。
ふたつのアトラクションがあるロストリバーデルタ内の造形物から、インディ・ジョーンズ博士は様々な支援やサポートを得られている事がわかります。
例えば、「ユカタン・ベースキャンプ・グリル」の食事トレーやエリア周辺に置かれた樽等に、「ペンシルベニア州アンドリュー大学」の名前が確認できます。同大学が研究機関としてサポートについているという事なのでしょう。
また現実にオフィシャルスポンサーである「パナソニック(旧松下電器)」の支援を受けている事も、アトラクション内のインディ・ジョーンズ博士の机にある新聞記事に書かれています。
一方、「レイジングスピリッツ」も古代神の発掘現場から2体の石像を掘り出した、という物語ですが、こちらにはバックアップしてくれる組織が見当たりません。
それどころか、スタンバイ列途中の「現場監督の部屋」にある図面には、「joe thinks he may have a buyer for this one」(ジョーはこれらをバイヤーに売ろうと考えている)と書かれ、発掘品を売買しようとしていると思われるメモが。どうやら発掘にはあまり予算がなかった模様。
こうした背景から、資金が潤沢な「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」から電気を拝借しているという物語があるのかもしれませんね。
一見するだけではなかなか気が付きませんが、小さなつながりからこんな背景や物語につながるのも面白いです。ぜひ探してみてくださいね。
ワインが世界中に出荷……が小物で演出されている
ディズニーシーの「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」は19世紀後半の古いワイナリーを改装して作られたレストラン。
1階は醸造所、2階が貯蔵庫という設定で、2階にはワインの樽が多く置かれています。また、オリーブオイルの圧搾所でもあります。
同レストランの内外にある樽や木箱等には「FRATELLI(フラテッリ)」(イタリア語で「兄弟」の意味)と刻まれ、兄弟一緒にワインやオリーブオイルを作っている様子が思い浮かびます。
レストラン前にある蒸気船「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」のドック(乗降場)は、彼らの作ったワイン等の「積み出し港」。レストランの壁に貼られた海図は、同レストランがあるメディテレーニアンハーバーの舞台である地中海沿岸のものです。
ドックはワインを瓶や樽に詰めたり、「ZAMBINI」を木箱に刻印したりする場所でもあるようで、飲みかけのワインボトルとグラスも確認できます。作業しながら自慢のワインを味わっていたのでしょうね。
同レストランのワインは、メディテレーニアンハーバーのレストランだけでなく、ディズニーシーの他のテーマポートにあるレストラン等に小物として実際に置かれています。
港から各地へ出荷しているという設定を忠実に再現しているところが、見事ですよね。
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