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【無料全文掲載】『植毛の進化論! 本気で薄毛に向き合う人が読む本』

まえがき

 薄毛は医療技術で治す。医師としての私の立場はこの信念に基づいています。
 薄毛は自毛植毛で治る。薄毛で悩む方々に、この確信を体験していただきます。
 治す、治る。薄毛治療専門の外科医として、薄毛に悩む患者を自毛植毛技術で治すことが私の仕事です。自毛植毛はいま薄毛対策で確かな成果を出せる技術です。
 現在の科学、特に医療では、髪の毛をゼロから生やすことは難しい事実があります。
 例えば、薄毛で悩む方々の不安、悩みに対して巷で出回る薬用育毛剤・飲み薬などは「ある髪」を太くする効果はあっても、「ない髪」を生やす効果は望めません。
 その効果が望めないものに多くの方が希望を抱き、失望する。
 私は、この薄毛解消への希望と、その後に現れる失望への負の連鎖、膨大な時間と費用の苦しみの悪循環を「1日」の手術で治します。これからお話しすることは、私自身が長年にわたり築き上げた確かな薄毛解決の技術=自毛植毛についてです。
 薄毛で悩む方々の失意が180度喜びに変わるように、みなさんの未来が豊かなものとなるように、医師としてすべて正確に丁寧に「できる対策」のみお話しします。
 さあ、あなたの未来へ。今から、そしてゼロからはじめていきましょう


第1章 あふれる広告、都市伝説…
高度AGA情報社会をさまよう“薄毛難民”が正しく治すためには

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正しく治すために❶……薄毛難民を惑わせるものたち

■毛生え薬ができたらノーベル賞もの

 AGA(Andro Genetic Alopecia)という言葉がメディアを中心に頻繁に取り上げられるようになり、いまや著名タレントを起用した「毛が生える」効果を持つシャンプーや、医師による治療を薦めるテレビCMを目にする機会が、当たり前となっています。AGAを日本語に訳すと「男性型脱毛症」。昨今、病態の解明が進み、有効な外用および内服治療薬が開発され、それらが積極的に使用されるようになってきています。
 しかし、AGA治療の歴史はそれほど古いわけではありません。現在、盛んに喧伝されている商品や治療法も、効果のほどは……というと、科学的に実証されてはいません。どうも、はっきりしないのです。情報だけが過剰に流布されているわりに、効果という点ではおぼつかない状態が漫然と続いている、そんな実態があります。最も効果的な治療法・対策は何なのか? 的確な判断が難しいと感じている人々が急増中しているのも、無理からぬことでしょう。
 私はこうした薄毛治療に悩む人たちを、「薄毛難民」と呼んでいます。

 難民というと「住む家もなく彷徨っている人々」という印象で、語弊もあるかもしれませんが、真に有効な解決策を見出せず悩んでいる人が、想像以上に多いという深刻な現況を指しています。多くの方がいろいろな薄毛の治療、育毛剤などを試すものの、結果として満足のいく薄毛解消の結果には結びついていないのです。
 現在も新しい育毛剤や育毛シャンプーなどが、次々と開発・販売されてます。一方で新しい病院や治療法も続々と名乗りをあげています。しかし、そもそも髪を増やしたり、ゼロから生やすことは難しいということを、薄毛難民の方々は理解されていないようです。

 AGAという言葉が一般化するにつれ、「薄毛に効果がある」とされるさまざまな商品、サービス、治療法が数多く存在するようになった半面、結果として薄毛に悩む人たちが惑わされているのが現状といっていいでしょう。髪の毛を生やすことができる薬などが開発されたら、それこそノーベル賞に値する大発明。薄毛の解決はそれほど困難な課題なのです。
しかもより深刻なのは、20~30代の若い世代にも薄毛難民が急増していることです。

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■現代社会には薄毛に関する情報が氾濫しすぎている

 人は若ければ若いほど、「見た目」を気にしがちです。コンプレックスを解消したいがために、安易な「気休め」としての育毛商品や治療に関する情報、サービスに飛びついてしまうのでしょう。それは人間の心理としてやむを得ませんが、薄毛は簡単に解決できる問題ではありません。先に書いたように、自然に髪の毛を再生することが、現在の医療ではできないからです。これは、動き難い事実です。
 その事実をベールで隠しながら薄毛難民たちを惑わせ、いたずらに希望を抱かせては失望させる事態を、私は薄毛治療の専門家として何とか打開しなければならないと考えています。この問題は、薄毛問題を解決させないばかりか、「悩ませる」ことで薄毛の人の大切な人生の貴重な時間を奪い、さらに、効果が見込めない商品やサービスで無駄なお金までを奪ってしまうという悪循環があるからです。

正しく治すために❷……薄毛にまつわる困った迷信

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■その情報に根拠はあるか?

 薄毛難民を惑わす情報は、他にもあります。例えば薄毛に関する迷信、都市伝説です。
「毛深い人は薄毛になりやすい」
「帽子をかぶるとハゲやすい」

「辛いものを食べ過ぎると毛が抜ける」
 いずれも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。このように、薄毛にまつわる噂や都市伝説は枚挙にいとまがないと言って良いでしょう。しかし、いずれもエビデンス(医学的根拠)はまったくないのです。
 薄毛の対策に関しても迷信が流布しています。
「シャンプーより石けんで洗う方がいい」
「ワカメを食べると髪の毛が増える」
「頭を刺激すると血行が良くなり毛が生える」
 石けんで髪を洗うのを良しとする迷信は、髪の専門家であるはずの美容師たちにまで蔓延している都市伝説ですが、これも薄毛に効果があると科学的に実証されているわけではありません。海藻類を多く摂取すると髪が増えるという説は、ヌルヌルしたフコイダンという成分が免疫力を高める効果を有してはいるものの、薄毛への効果はこれまた不明です。やはり科学的根拠はないのです。頭部へのマッサージはやりすぎれば逆効果にすらなりかねません。
 脱毛症を発症した患者に、「原因はストレス」と診断する医師もいます。
 確かにストレスは身体に悪影響を及ぼします。ただし、ストレスと薄毛の関連にも実は科学的な根拠はありません。脱毛の原因が判断できないため、ストレスと診断せざるを得ないというだけです。
「ハゲは遺伝する」
 そんな説もあります。本当にそうでしょうか? 父親の前頭の髪が薄かったからといって、息子もそうとは限りません。薄毛は多因子遺伝と考えられていますが、解明はまだされておらず、結論づけるのは早急といっていいでしょう。
 ズバリいいましょう。薄毛にまつわる根拠のない原因を心配し、無駄ともいえる改善策を熱心に実践している難民の方々…それらはすべて迷信なのです。


■育毛・発毛商品を検証してみると…

 次に、薄毛を気にしはじめた多くの人が手にする、効果があるといわれるさまざまな商品を検証してみましょう。
 まず、比較的安価な「発毛・育毛効果のあるシャンプー」についてです。洗髪によって健やかな頭皮環境を整えることは大切ですが、いくら頭皮の外側からアプローチしたところで、髪の生物学的性質が変わることはありません。つまり、「髪は自然と抜ける」、または「他の人よりも抜けやすい性質を多く持っている」という状況は変わらないということです。後者の人の場合、やせた畑(髪質や頭皮が悪い状態)にどれだけ種(発毛・育毛シャンプー)を蒔いても、いい作物は育たないといっていいでしょう。性質が変わらない以上、いくら身体の外側から改善しようとしても、それほどの効果は望めないのです。
 確かに発毛・育毛シャンプーを使用すると、髪にコーティングが施され、ハリやコシが出ます。しかし、育毛・発毛という観点からすると、あくまで錯覚にすぎません。髪がしっかりしてきたという「感触」を得ているだけ。
 同じくその手軽さから人気の「育毛剤」は、抜け毛の予防・防止には一定の効果はあります。ただし、効果は当然のことながら個人差がありますし、何より継続し続けなければならないため、結果としてそれなりの費用を要する結果となります。薄毛の人が望む結果をもたらせぬまま、膨大な時間とお金を失っていく図式になるのです。

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■増毛法とカツラに潜むワナ

 発毛・育毛関連商品に効果が見込めず、失望した方が次に目を向けるのが、髪が薄い部分を「隠す」方法として代表的なアイテム「増毛パウダー」でしょうか。このパウダーは、ケラチンというタンパク質から成る黒い粉末で、粉末を毛に付着させることで地肌が目立たなくなります。手軽であり、軽度なAGAには有効だと思います。しかし、AGAがかなり進行している方の場合、どうしても不自然に見えてしまいます。それに、雨の日などはパウダーを使っていることが「バレてしまうのでは?」と意識せざるを得ないため、心理的なストレスを抱える方は多いようです。仕事用のカバンに、旅行用のバッグにと肌身離さず、数十年つねに持ち歩いているという例もあり、そのストレスたるや、察するに余りあります。
 ほかに「増毛」があります。現存している毛に人工の毛を結びつけることでボリュームアップさせる方法です。カツラに頼ることなく増毛感を得られるのがメリットでしょう。ただし、そもそも結びつける自毛がなければ不可能です。自毛は次第に減っていくので、増毛では対処しきれない日が、いずれ必ず訪れます。言葉は悪いですが、やがて来る避けられない日、カツラの使用までのいわば「つなぎ」技術です。また、自毛が伸びてくれば結びつけた位置も上がってきてしまうため不自然さが目立ち、定期的なメンテナンスが必要になります。もちろんメンテナンスは有料ですから、延々と支払いを継続しなければなりません。
 増毛とカツラは、同じメーカーが取り扱っていることが多いです。つまり、増毛で顧客を引き留め、いずれ購入せざるを得なくなるカツラへと「紐付け」誘導しているわけです。むろん、これも立派なビジネスですが、費用を負担する顧客の希望と経済状況は、どんどん疲弊することになりかねません。


■カツラのメリット・デメリット

 最も有名な薄毛対策であるカツラは、購入して着けたその日からフサフサに変身することができます。これによって、生活がガラリと変わったという方もいます。しかし、デメリットを挙げるとメリットをはるかに凌駕してしまう事態も少なくありません。
 まず、増毛と同様にメンテナンスが必要です。また、長年使用していれば損傷も出てきます。このため一つ作ればいいというものでもなく、複数のカツラを所持していなければ安心できないという方もいるでしょう。概算ですが1~2年で100万円以上は必要になるはずです。しかも、その費用を継続的に生涯負担しなければなりません。
 医者としての立場から言わせてもらえば、衛生的でもありません。帽子を常にかぶっているようなものですから、蒸れて雑菌の温床、感染症のリスクも高まります。日本の夏は異常な猛暑ですから、特に7~8月は身体的な負担が大きいでしょう。そしてカツラの最大の弱点は、毛の生え際の不自然さです。自分の毛ではありませんから、見る人には多少の違和感を抱かれてしまうのです。これは、高い費用をかけて取り繕った労力をすべてぶち壊す本末転倒な話です。

 自分の毛髪の状態や目的、気持ちに応じて「私は育毛・発毛剤で十分」「パウダーで大丈夫」「いや、カツラが最適」と、それぞれの費用、デメリットを理解したうえで利用するなら問題ありません。特にカツラに関しては病気などを理由に、それしか選択肢のない方もいらっしゃいます。自分がデメリットも理解した上で満足できるなら、どんな治療法を選択しても構わないと思います。薬にも化学的に効果が認められたものもありますから、症状が軽ければこの育毛剤で「私はいい」と、割り切ってしまえるなら何も問題はないのです。
 しかし、現実には明らかに怪しげな「治療法」が多々あります。そして最も重要なのは進行性、つまり次第に悪化するAGAにおいては、そうして費やした時間や費用こそが最大の敵であり、いずれも根本的な解決法ではないということなのです。

正しく治すために❸……人は見た目が9割

■どの年代がAGAになりやすいのか

 時間の浪費という視点から、もう一つ大切なことに言及しましょう。多くの人は薄毛を加齢によるもの、男性の場合は特に中高年の症状としてイメージしてしまいがちですが、実は20代の男性若者から60代以上の女性までも、髪の悩みを抱える方は多くいます。
 例えば、私のクリニックにおける患者様の年齢層は次のようになります。
10代=約1%
20代=約27%
30代=約34%
40代=約26%
50代=約10%
60代以上=約3%

 4人に1人は20代、そして30代と40代で全体の6割。また全体の1割強を女性患者が占めています。現代における「薄毛問題」は、まさに老若男女にとって無視できない事態といっても過言ではないのです。

 その中でも特に恋愛や結婚、仕事での出世レースなど公私にわたって今後の人生を大きく左右することになる20~30代の過ごし方は重要です。そして、その期間における外見の印象はやはり無視できないでしょう。キレイ事ではなく、「人は見た目が9割」。特に初対面の印象は公私において極めて重要です。
 だからこそ、早く、そして正しい薄毛治療をするに越したことはないのです。
 実際、「若年性脱毛症」の方には辛辣な調査結果があります。「薄毛の男性は恋愛対象になるか?」という問いに対し、『対象にならない』と回答した女性がじつに49・8%(2018年『ハゲ活』調べ)。約半数の女性が薄毛の男性を恋愛対象にできないとしているのです。
 もちろん恋愛・結婚だけが人生のすべてではないという考える方もあるでしょうが、いまや人生100年時代と言われます。これからの長い人生を考えたら、「見た目」に配慮することで新たな出会いを増やして恋愛をすることで、より豊かな人生の可能性が広がることは確かでしょう。人生の好機を逃すことが、もっとも大きな機会ロスとなるのです。
 私自身は、人間の価値はその人間が持つ能力、人柄が第一だと考えています。しかし、現実には人生の岐路となる重要な場面、例えば就職・結婚などにおいて「見た目」の良し悪しで決定されてしまうことがあることも否定できません。

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■薄毛治療は人生への投資

 そう考えると、やはり「薄毛」は恋愛や結婚においてかなり不利な現実だといわざるを得ません。薄毛であるだけで、その人の人格に触れる前に異性から「門前払い」を食うならば、これほど不条理なことはありません。
 費用の面において「若年性脱毛症」の負担が大きいのは事実でしょう。ファッションへ投資したり、本を読んだりセミナーに通ったり、交友関係が広がったりと、20~30代は自分への投資、出費が嵩みます。そこにAGA対策に費用を回すことは現実的に難しいかもしれません。でも、人生は一度きり。若い時の「見た目」の可能性は、時間とともに減少していきます。もちろん、時とともに豊かな知恵を培い、揺るぎない人間的な成長を遂げていくと思われます。しかし、繰り返しますが、人は「見た目」で判断されてしまうことも事実なのです。
 ならば、そこに自己投資をする合理性を考えてみてください。
 私たちの役割は、そうした自己投資に対して確かな技術を提供することなのです。


■薄毛に定義はない

 しかし、そうはいっても若い人ほどさまざまな治療法を試しがちで、結果的に時間とコストを浪費する傾向が強いのも現実です。そもそも薄毛治療のために病院へ行くこと自体、ハードルが高い。費用や手術への不安も大きいでしょう。だから、最初はなるべく病院に行かないで済むような、負担の軽い方法から始めてしまいます。
「何とかなるんじゃないか」という淡い希望、「できれば負担を軽減したい」という経済的な事情、「まだ大丈夫」と思いたいプライド…おそらく、そういったものが若年層の薄毛難民の行く手を阻んでいると考えます。
 しかし、ぜひ覚えておいてほしいのは、薄毛に定義はなく「気持ちの問題」だということ。自分で「薄い」と思えば、年齢に関係なく「薄毛」です。オジサン、若い人という年齢によって定義されるものではありません。逆にいえば、薄くても気にならないのであれば、そのままでもいいのです。

 ここに薄毛のタイプを分類したイラストがあります。

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 このうち「I型」は薄毛ではなく、普通の状態です。しかし、これでも気にする方はいらっしゃいます。私たち専門医から見て「薄毛ではない」と思っていても、本人が「増やしたい」と思っているなら、治療すべきなのです。「Ⅲ型」は、ここまでくると自然に髪が生えたり、増えたりすることは難しい段階で、治療を検討する方が多いです。しかし、これでも本人が「自分はハゲていない」「気にしない」と思う方には、治療は不必要なのです。
 また、多くの人は、頭頂部に抜け毛が目立ち始めると、気にかけ始めます。それがvertex型です。
 他にも毛の悩みは千差万別です。後頭部と頭頂部の毛を比べて、頭頂部の毛のほうが「細い」ということを気にする方もいます。専門医から見れば深刻な問題ではありませんが、ご自身が気になるようであれば、治療を考えてもよいでしょう。
「このまま放っておいたら何年後かにはハゲるのでは?」という不安から相談に来る方もいます。しかし、残念ながら、将来についての予測は、専門家の私にも難しいです。ただし、今の段階なら低コストで済む治療が、3年後に仮に進行していた場合は、よりコストがかかる結果となりかねません。その期間も費用も、もったいないわけです。

 髪の悩みは人それぞれで「なんとかしたい」と考える人もいれば「ほとんど気にならない」という、おおらかな人もいます。ただし、クリニックにお越しになっているということは「悩み」や「心理的な痛み」を持つ方が多いのです。AGA治療は、まずそうした患者様の個別の悩みや不安をカウンセリングすることからスタートします。
 いま薄毛治療において最も有効な方法は「自毛植毛」です。後頭部にある自分の毛根を、薄くなった部位に移植する。つまり、自分の毛をバランスよく再分配する治療法です。
 次章では、その具体的なフローを説明していきましょう。


親和クリニックのベテランカウンセラーが回答する
よくある質問〈知識編〉

自身も自毛植毛によって人生を変えたカウンセラーが、患者様からよく質問される疑問に対して、紙上カウンセリングを実施。〈知識編〉では薄毛の改善にあたり、知っておきたいことを中心に回答します。

Q. 薄毛の原因を教えてください
A. 最も多いのは『男性型脱毛症(AGA)』です。この脱毛症には男性特有の体毛の変化に深く関わっているテストステロンという男性ホルモンが関与しています。AGAの人の前頭部および頭頂部では、テストステロンが変化した脱毛ホルモンが毛根部分で毛母細胞の分裂を阻害してしまうために、軟毛化が進行します。毛が細くなり、寿命も短くなりますから、頭皮が露出するようになってしまいます。

Q. ヘアサイクルとはなんですか?
A. ヘアサイクル(毛周期)はAGAを理解する上で欠かせない毛髪が成長する仕組みです。基本的に毛髪が生えて抜け落ちるまでには【成長期・退行期・休止期】という3つの過程があり、一つ一つの毛根がこの過程を繰り返すことをヘアサイクルと呼びます。AGAが発症すると、成長期が極端に短くなります。通常2~6年かけて成長する毛髪が、数ヶ月~1年で止まってしまい、充分な太さや長さに達しない状態で抜け落ちてしまいます。そのため、短く細い未熟な状態の毛髪が増えることで薄毛に見えてしまうのです。

Q. 生まれつき額が広い場合でも手術は有効ですか?
A. AGAの徴候が見られない方でも、子供の頃から額が広いのがコンプレックスだったという方がいらっしゃいます。そういう方にも自毛植毛は良い治療法です。元々髪の毛が生えていない部分にも移植は可能であり、生え際の形、額の輪郭は自由にデザインできますからご希望通りの額にすることができます。

Q. 自毛植毛は本当に毛が生えるのですか?
A. 自毛植毛は頭髪の毛の部分だけを植えるのではなく、頭髪を作る毛根の組織を移植する手術です。移植された毛根は手術後、生涯にわたって頭髪を作り続けます。

Q. 女性でも植毛はできますか?
A. 女性でも問題なく自毛植毛を受けられます。近年ご相談にいらっしゃる方で女性の割合は増えています。

Q. アトピー性皮膚炎ですが手術できますか?
A. 一口にアトピーといっても様々な方がいらっしゃいます。症状が落ち着いていて、かゆみや乾燥感がほとんどない方の場合は手術可能ですが、症状が重い方の場合、手術によりさらに悪化する可能性もありますので、皮膚炎が落ち着くまで手術を待っていただくことがあります。


適齢期女子たちの
“髪”へのホンネって!?
[薄毛男子についてぶっちゃけ座談会]

日本では【20代の10%】【30代の20%】が“薄毛”だという事実。

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「モテたい」という男の根源的欲求を満たす上で、薄毛がマイナス要因になることは間違いない。どんなにオシャレでトークスキルが高くても「人は見た目が9割」…特に異性に対する印象においてその傾向は顕著。クリティカルな問題だ。
 はたして世の女性たちは薄毛に対してどのような印象を持っているのだろうか? そして、薄毛の治療についてはどう思っているのだろうか?
社会人として日頃からさまざまな世代の男性に接している女子3名に集まってもらい、座談会形式で本音を語ってもらった。

例えば…薄毛の男性からプロポーズされたらどうする?

それでは「カンパ~イ♫」座談会スタート!!

──さっそくですが、同年代で「薄毛」もしくは「薄毛の可能性がある」男性について、どんな印象をお持ちですか?

ゆき私は薄毛の男性は恋愛対象にならないかもしれないな。特に意識しているわけじゃないけど」
のぞみ「たまに20代なのに既に髪の密度が…って人はいますよね。普段はわからなくても、強い風が吹いたり雨で髪が濡れた時にわかっちゃう」
さちこ「前に憧れていた男性が身長の高い人だったんですけど、ある日お辞儀した時に頭のてっぺんを見たら薄くなってて…身長差があるからそれまで見えなかったんですよね。『あっ』ってビックリした顔をしてしまい、その後気まずくなったことがあります(笑)」
のぞみ「本人も気にしてるだろうからフォローもしづらいしね…。あまりにも薄毛を気にしてる人だと例え彼氏でも『髪のことはあまり触れちゃいけないのかな…』って、こっちまでストレスでハゲちゃいそう」
ゆき「私は会社でシス管(システム管理)をやっているので、社員のメールや検索履歴を閲覧できるんですけど、会社のPCからAGAの広告を見ていたり、育毛剤を買ったりしてる人もいるんですよね。『○○さん、気にしてるんだ』とか思いつつ『でも、まだ効果は出ていないかな』みたいな(笑)」
さちこ「例えば、性格も収入も理想的だけど薄毛…。そんな男性からプロポーズされたらどうする?」
ゆき「中身がしっかりした男性なら全然OKかな。この前、雑誌で『モテハゲ男子』って記事を見たんだけど、親しみやすさもあるしキャラ立ちするから、髪が薄くてもモテる人って確かにいるだろうなって思った」
のぞみ「本当~? じゃあ同じくらいの収入で性格も良い、ハゲている人とフサフサの人だったらどっちを選ぶ?」
ゆき「それは…フサフサの人に決まってるでしょう」
のぞみ「だよね(笑)」
さちこ「私なら付き合ってから『お医者さんに相談してみたら?』って言うかもしれないな。昔と違って、今なら何か良い方法があるんじゃないかな?」

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──男性は「薄毛の治療をしてるのがバレたら恥ずかしい」という気持ちが強いのですが、女性から見て薄毛のケアに熱心な男性はどう見えるのでしょう?

ゆき「全然気にならないし、むしろドンドンやって欲しい! 見た目は良いほうが嬉しいし、気にしてクヨクヨするぐらいなら、しっかり治療して欲しいです」
のぞみ「私も。帽子で隠したり、バーコードで誤魔化すほうが嫌だな…」
さちこ「彼氏や旦那が薄毛だったとして、いくらまで治療にお金を使っても許せる?」
のぞみ「私たちだって脱毛やエステ、メイクにお金を使ってるんだから、男性ももっと自分の見た目のためにお金を使っても良いと思う」
さちこ「綺麗になって幸せになるための投資だよね。まあ自己満足だったりもするけど(苦笑)」
ゆき「私も美容や身だしなみでこれまで多分200万円ぐらいはお金は使ってるし、そのくらいならギリギリOKかな。よく分からないクルマや変な趣味にお金をたくさん使われたらイヤだけど『薄毛が治りました』って言われたら『そっか。カッコよくなったね』って感じ」
さちこ「なるべく安い方がいいけど『安物買いの銭失い』じゃ本末転倒だしね。彼氏がカッコ良くなるなら、少しくらい出してもいいかな」


自信のある男は見た目以上にカッコよく見える

──なるほど。では、彼氏にしてもらいたい薄毛治療って何でしょうか?

のぞみ「目のやりどころに困っちゃうし、バレバレな隠し方は絶対にやだ! パウダー(?)とかカツラとか」
ゆき「夏場は暑そうだし、帽子は髪の毛に良くないって言うもんね…。それに、ちょっと良いお店に行ったときに帽子を脱いでくれないのは恥ずかしい(笑)」
のぞみ「良いカツラもあるんだろうけど、メンテナンスに費用がかかるって聞いたことがある。 周りから見たら結構わかっちゃうのに…」
ゆき見た目が不自然なのはキツイよね。社内にカツラの人がいるけど、バレてないって思っているのは本人だけだと思う」
さちこ「前に付き合ってた薄毛の彼氏は育毛剤を使ってたけど、私にバレないようにこっそり使ってた。効果を確認する前に別れちゃったけど」
ゆき「育毛剤ってどうなんだろ? 個人差もあると思うけど…会社の人たちを見る限り、あまり信用できないかも(笑)」
のぞみ「最近CMとかで『AGA』ってよく見るけど、あれって薬の宣伝?」
さちこ「それはわからないけど、さっき話した前カレは薬も使ってた(笑)」
のぞみ「へぇ。どうだった?」
さちこ「……」
ゆき「教えてよー」
さちこ「うん…アッチが、ちょっと…弱くなっちゃったの」
のぞみ副作用ってこと?」
さちこ「かもしれないって」
のぞみ「それはビミョーだね。で、髪は?」
さちこ「私にはわからなかったけど『半年くらいで効果が出る』って言ってた。でも、毎月数万円の薬代で払い続けるのはキツそうだった」
ゆき「ずっと服用しなきゃいけないんでしょ?」
のぞみ「そっか。薬をやめたらまた薄毛になっちゃうのね…」

自毛植毛の効果を見た反応は?

──ちなみに『自毛植毛』という治療法はご存知ですか?

一同 「いえ、知らないです」
──これが自毛植毛をした方のビフォー・アフター写真なんですけど…自分の髪を移植するので見た目も自然だし抜けても生えてくるんです。

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ゆき「これ、本当に同じ人ですか? だとしたらスゴイかも。こっちは脱毛にお金かけているのに…。私の余計な毛も植えてあげたい(笑)」
さちこ自然ですね。でも、薄毛の人はどこから毛を持ってくるんですか?」

──後頭部や側頭部の毛根を移植するんです。後頭部の毛が薄い人っていないじゃないですか。

さちこ「たしかに。でも移植ってことは手術だから、けっこうお金がかかりそう」
のぞみ「多少お金がかかったとしても、一気に悩みが解決するなら全然良くない?」
さちこ「女の子のプチ整形とか豊胸手術と一緒で、見た目が良くなることよりも、それで自分に自信がつくことの方が大事じゃない? きっと自信がついたら見た目以上にカッコよくなると思う
ゆき「長い目でみたらカツラより自毛植毛の方が安く済みそうだし…うん、良いかも」
のぞみ「どうせお金を使うなら確実に効果の出る方法にしてもらいたいもんね」
さちこ「『自毛植毛』ですね…覚えておきます!」

──今日は様々な本音をお話いただき、ありがとうございました。

一同「こちらこそ。ごちそうさまでしたー!」

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 約2時間、現役OL3名に「男性の薄毛」について語ってもらったが、女性たちの「見た目に投資するという考え方」と「結果に見合ったコスト意識」は悩める薄毛男性にとって参考になりそうだ。
 もし貴方が現在進行系で薄毛に悩んでいるならば、心機一転、これまでの悩みを断ち切るための確かな治療法を真剣に検討してみてはどうだろう?
 薄毛は進行する。アクションは早いに越したことはないのだから。

第2章 植毛の進化論!
薄毛は「隠す」から「治す」時代に…
自毛植毛で人生を好転させる

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人生を好転させる❶……自毛植毛が薄毛解消の最適解

■「隠す・増やす」ではない「治す」というベクトル

 さて、「自毛植毛」と聞いて、みなさんはどんな治療を想像するでしょう? まず、「手術」を思い浮かべる方が多いと思います。そして、第1章で言及した育毛・発毛に関するシャンプーや育毛剤、増毛パウダーなどに比べて、手術はそう簡単にできないと考えるでしょう。当然、手術と聞けば「痛い、怖い」「入院が必要で仕事を休まなければならない」など、不安を覚える方も多いはずです。実際に「自毛植毛をしよう」と思った方でも、クリニックへ訪れるまで1カ月以上を要した方が4割弱。3カ月以上かかっている方も相当数いることがわかります。
 薄毛治療のためにクリニックの門を叩くことでさえハードルが高いのに、手術となるとさらに敷居が高く感じてしまう。これが自毛植毛に対して皆さんが二の足を踏む理由だと思います。しかし、薄毛の悩みを根本的に解決するには、ごまかしたり隠したりというその場しのぎの方法ではなく、髪を「生やす」ことが必要です。「生やす」ことこそが薄毛難民の夢であり、その夢を実現する唯一の道が「自毛植毛」だといっても過言ではありません。本章で「自毛植毛」についての正しい知識を持って、ぜひ今後の薄毛治療における有力な選択肢にして欲しいと思います。

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■二つの「植毛」法の大きな違い 

「植毛」という言葉に対して、誤解のないように説明をしましょう。植毛手術には二つの方法があります。一つは「人工毛植毛」、もう一つが「自毛植毛」です。人工毛植毛とは、合成繊維などの素材から成る人工の毛を頭髪に埋め込んでいく方法です。いわば偽の髪の毛を頭髪に移植するわけです。対する「自毛植毛」は、後頭部や側頭部(特に後頭部が適している)の毛根組織を採取し、薄くなった部分に移植する方法です。
 言うまでもなく自毛植毛では移植した場所に自分の髪が生えてきます。そして、抜けても半永久的に生え続けてくれます。人工毛とは違い拒絶反応もありません。何より自分の髪の毛ですから見た目も極めて自然です。毛が伸びるまでには一定の期間は必要ですが、その伸びていく過程も含めてナチュラルであるため、治療をしたと周囲にバレることはないでしょう。
 1980年代までは、植毛といえば人工毛植毛が一般的でした。しかし、アメリカでは現在、人工毛植毛は禁止されています。人工毛は「異物」を頭皮に埋め込むわけですから、異物への拒否反応が起こり、術後に抜けてしまったといったトラブルが続出したためです。患部から雑菌が侵入し、慢性的な炎症を起こすケースも頻発しました。また、人工毛は伸びることがありません。このため、本来は毛の成長とともに外へ押し出されるはずの汚れが滞留してしまい、雑菌が繁殖してしまうのです。最悪の場合は、異物肉芽腫を発症します。これは体内にある異物が慢性炎症の原因となり、肉芽腫が発生する病気です。身体にできた傷に砂や石などが入ったままの状態で起きるケースもありますが、美容外科手術で体内に埋め込んだ異物が原因となる場合も考えられます。人工毛増毛による炎症は、後者と同じです。
 我が国は、なぜかいまだに人工毛植毛を禁止していません。したがって、日本でもトラブルは起きています。決して推奨されるべき手術法ではないのに、なぜ禁止されないのかが、不思議でなりません。

■自毛植毛手術ではメスは使わない 

 一方の「自毛植毛」は、「髪を抜いて、別の箇所に植える」と誤解している方が多いようですが、そうではありません。「毛を作る組織(毛包)を、増やしたい場所に移植する」方法となります。具体的には、主に後頭部にある毛根を薄毛の患部へと移植します。「毛根の引っ越し」といえるかもしれません。もともと元気な毛根ですから、引っ越した場所でもすくすくと毛が育ちます。
 薄毛の方は主に前頭部と頭頂部の毛が抜けていきますが、側頭部と後頭部には毛が残っています。これは、前頭部と頭頂部には男性ホルモンの受容体があるためホルモンの影響を受けやすく、AGAが起こりやすいからです。半面、後頭部と側頭部には受容体がありません。したがって、ここにはAGAは起きないのです。つまり、どんなにAGAが進行した方でも、毛根が活発な部位が頭のいずれかにあります。そして、側頭部より後頭部のほうが移植には適しているため、自毛植毛は後頭部から移植するのが一般的な手法となります。
 ところが、この素晴らしい技術は世の中にあまり周知されていません。知らない方が圧倒的に多いのです。さまざまな方法を試した末に、ようやく自毛植毛という治療を知り、私のクリニックを訪れる方がたくさんいらっしゃいます。その理由は前述の通り、情報が多すぎること、そして、手術と聞くと途方もなく敷居が高いと考えてしまっているからでしょう。
 日本で自毛植毛が盛んに行われるようになったのは、15年ほど前からでしょうか。歴史は浅く、知られていないのも当然といえば当然です。また、以前の手術法は痛みを伴う上に手術痕も残り、仕上がりも不自然でした。そうしたことを経験された方が多かったのも、これまで普及してこなかった理由の一つだと思います。
 しかし現在は、頭皮を切るのではなく、毛根を1個1個採取しています。0.65㎜以下の非常に小さい穴を開けるイメージの手術を想像してください。メスも使いませんから痛みもほとんどありません。
 現在の自毛植毛は技術も格段に進みましたので、以前のように決して難解に考える必要はないのです。

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人生を好転させる❷……自毛植毛で変わるのは髪型だけではない

■本来の自分を取り戻した83歳の男性 

 超高齢化社会を迎え、人生100年時代といわれる日本。私のクリニックには、まさに老若男女といえる患者様が訪れますが、最高齢ではなんと83歳の男性が手術を受けに訪れたこともあります。この方は来院の理由について『80歳を過ぎたけど、まだ人生は長い。薄毛を治療して自信や活力を取り戻したい』とお話されていました。この患者様に限りませんが、高齢者の方でも再婚を考えている方、お孫さんの誕生を機に見た目を良くしたいと考える人など、自毛植毛へのニーズは様々だと思います。
 私たちは術後1年を目安に経過観察も兼ねて患者様にお会いするようにしています。その時に最も嬉しいのが「彼女(彼氏)ができた」「自信がつき、姿勢がよくなった」「出世できた」「再婚することになった」などの報告を聞いた時です。明らかに声や表情が明るくなったり、服装がスタイリッシュになるなどは多くの人に共通する術後の変化なのですが、こういったお話を聞くにつれ、自毛植毛が人生に転機をもたらしていることを実感します。
 中高年の方には、特に自毛植毛の自然な仕上がりが喜ばれます。例えば全体的に白髪が多いのに、一部分だけ真っ黒というのも不自然ですよね。採取元の後頭部の髪が白髪であれば、どこに移植しても白髪が生えてきます。白髪が生えるという、もともとの性質を維持しているため、渋いロマンスグレーの中高年の髪として生まれ変わるのです。いや、生まれ変わるというのも違いますね。本来の自分の姿を「取り戻す」というのが正確でしょう。この「もともとの性質を維持」することを、医学用語では「ドナードミント」といいます。これこそが自分の毛を活かす自毛植毛ならではの自然さです。


■自毛植毛の流れ ~カウンセリングから手術まで~ 

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 それでは、実際に自毛植毛手術におけるカウンセリングから手術に至るまでのフローを解説しましょう。
 まず最初は、当医院のHPや電話からカウンセングの予約をします。手術を行う決断に至っていなくても、まずは相談だけという方も多く来院されるので、遠慮は一切無用です。遠方の方には交通費や宿泊費の一部を負担する制度もありますので、気軽に相談してください。
 予約が完了したら、次はカウンセリング及び診察です。ここでは、具体的な手術法や費用について、丁寧に説明します。というのも、患者さまの植毛に対するイメージは漠然としているケースがほとんどで、どれくらいの本数を植毛すべきなのか、理想なフサフサ感を手にするのにかかる費用はいくらなのか…など、まったくご存知ない方も多いからです。
 同時に、当院の専門医が現在の頭髪・頭皮の状態や、手術が及ぼす身体的影響などを診察します。患者様が納得して頂けたら手術日を決めます。手術は基本的に日帰りで済みます。術後は患部をガーゼで保護し包帯で巻きますが、当院で準備した帽子をレンタルしますので、いつも通りに帰宅してもらって構いません。翌日に御来院いただき、洗髪のレッスンを受けてもらいます。手術後に髪を洗う恐怖感を拭うため、専門のスタッフが洗い方を教えるというわけです。その後はご希望があれば内服薬や外用薬を処方します。ただし、これは植毛した毛根を保護するというより、それ以外の毛が抜けるのを予防するためです。
 なお、手術の傷は数週間でほぼ目立たなくなりますから、手術痕を心配する必要はありません。髪が生えてくるのを実感できるのはおよそ4~6カ月後程度でしょうか。薄くなった部分に、少しづつ自分の髪が蘇ってきます。

人生を好転させる❸……自毛植毛の内容

■最先端技術「MIRAI法」

 次は手術法について詳しく説明しましょう。

 10年ほど前まではFUSS法という手術法が主流でした。この方法では毛根をメスで切り取るため、手術時も術後も痛みがありますし、後頭部に目立つ手術痕が残ってしまいます。また、毛根を採取した後頭部がつっぱるなどの違和感もありました。そして採取する株数には限度があるため大量の移植が行えず、密度の低い仕上がりになるなど、多くの負担と不満がある手術法でした。
 これらのデメリットを改善すべく開発されたのがFUE法です。これは後頭部の皮膚をメスで切り取らず、縫合を伴わない手術です。そして、それに改善を加え、毛根が健全な株だけを選んで採取するのが、当クリニックが誇る最先端技術「MIRAI法」です。
 MIRAI法は、皮膚を切らないため痛みを伴いません。また、毛根組織(「株」=「グラフト」と言います)を1本ずつの最小単位で移植するので余分な皮膚を取ってしまうこともありません。大量かつ高密度の移植が可能となり、手術後も通院の必要がなくなるなど、患者様が望む期待に十二分に応えられる手術法…いえ、現時点においては、薄毛の悩みを究極的かつ根本的に解決できる治療法だと言っていいでしょう。

 手術時間が短いということは、患者様の身体的・心理的な負担を減らすということでもあります。痛みを軽減するのを最大の目的として開発した方法でしたが、時間の短縮化や、しっかりとした効果が出るまでの不安やストレスの軽減にも貢献しています。もちろん「髪の毛の生着率の高さ」についても同様で、効果を最大化すべく虚血時間などのテストを繰り返した結果なのです。こうしたことは医師として当たり前のことなのですが、残念ながらまったく行っていないクリニックも存在します。
 MIRAI法は、最近流行のロボットを使う手術ではなく、すべて一つ一つ、丁寧な手作業です。なぜなら個人差のある人の毛根は機械的、かつ平均的に扱うべきではないという思いがあるからです。「毛根移植は臓器移植」と同じであり、ロボットなどに頼るべきではありません。これは、私の矜持でもあります。

■大量の移植を世界一のスピードでこなすチーム医療

 毛根組織=「株」を採取することについて、もう少し詳しく解説しましょう。「株」とは、医学的には「グラフト」といいます。MIRAI法では、後頭部の皮膚からこのグラフトを毛包(もうほう)単位で採取し、移植します。毛包とは毛を生やす皮膚付属器官で、このうち皮膚表面から見ることのできる部分を、一般に毛穴といいます。このとき、良い毛が生えるグラフトを見極め、必要なグラフトだけを1株1株、丁寧に採取します。採取しないグラフトを傷つけないようにすることも肝要です。
 当クリニックの自慢は、グラフト採取の技術力が格段に優れているという点にあります。一度に3000グラフト以上の移植を行う技術を「ハイスピード・メガセッション」と呼んでおり、4000~5000株の大量移植を、わずか7時間ほどで完了することができます。例えば午前10時に手術を開始しても、夕方5時には終了するのです。日帰り手術で移植できる株数は、クリニックにもよりますが、平均で1600株ほどでしょう。欧米でも、5000株の移植となると数日に分けて行います。当院は1時間に1023株という記録を有しており、これはおそらく世界一でしょう。ギネスに申請すれば、世界記録として認定されてもおかしくありませんが、それを可能にしているのは、医師の技量だけではなく、私たちがチーム医療を徹底しているからなのです。
 次に採取した株を移植します。これには、前頭部や頭頂部など移植したい部分に、株を植え付ける「移植ホール」をつくって行います。移植ホールは直径0・63~65㎜のマイクロパンチブレード、いわば超極細の管を使ってつくり、ここに株を植えるのです。このマイクロパンチブレードは世界で最も細く、傷跡を残しません。半面、これを使う医師には高度な技が求められます。

■髪の「癖」にまで配慮した驚異の移植法

 いよいよホールへと株を移植します。これを「インプラント」と呼びます。
 ここでは特殊な器具を使い、株より小さいサイズの移植ホールに、空気圧によって株を植えつけます。こうすることで、生着率がより高まるわけです。また、髪の生え方は人それぞれで、髪の流れ、つまり180度どちらに髪が流れるのかという、いわゆる「癖」があります。その癖を考慮し、自然な流れになるようにデザインするところが、医師の腕の見せどころでもあります。こうして、見た目にもボリューム感が増し、かつ自然な仕上がりとなり、患者様の高い満足度につながるわけです。
 ご心配の痛みに関しては、あるとすれば麻酔の時くらいでしょう。とはいえ、手術中は麻酔が効いていますから、ほとんどの患者様は夢心地のまま、手術を終えられます。ダウンタイム(施術を受けてから施術前と同じ日常生活に戻れるまでに要する時間)も最小限に抑えることができ、翌日にはシャンプーもできます。
 術後は、移植した部分の周囲の毛髪が脱落する“ショックロス”という現象が一時的に起こることがありますが、90%以上は生着し、6~8カ月後くらいには一つの株から2~3本の毛が生えてきます。4000~5000株を移植すれば少なくても8000本、多ければ1万5000本が生えてきます。
 こうなれば、もうフサフサの効果を実感することは確実です。

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■自毛植毛手術の費用は長い目で見れば安い

 もう一つ付け加えたいのは、自毛植毛を担う医師には「ヘアデザイン力」が求められるという点です。最適な植毛方法は患者様一人一人によって異なりますから、いかに皆様の御要望に沿って手術できるるか、いうなれば対応力が必要ということです。
 それほど深刻な薄毛ではないものの、美容目的で自毛植毛したい方もいます。他にも、他院で受けた手術に納得できずセカンドオピニオンでお越しになる方など、各人のニーズを汲み取ることが大切なのです。
 このように、一口に植毛といっても多種にわたるニーズにフィットする技術・能力・アイデアが、医師には欠かせません。しかし、日本のクリニックに、そこまでの人材がどれだけ存在するかは、おおいに疑問視すべき事案でしょう。自毛植毛はニッチな業界ですから、医師の技術力には大きな差があると感じています。
 現在、この必須条件を満たした熟練の医師たちを揃えているのは、全員が外科出身である親和クリニックであると自負しています。他のクリニックで受けた手術に満足できず、当院を訪れて初めて笑顔を見せる患者様が多いことが、それを物語っています。

 また、予算に応じての対応も求められます。
 MIRAI法では【基本治療費20万円+900円/株】という費用を設定していますので、500株の移植であれば、およそ65万円(税別)が治療費になります。どのくらい株数を移植するかの希望によって費用は増減しますが、当クリニックでは平均すると一人150万円ほどになるでしょうか。
 そこで、カウンセリングではご予算とご希望を踏まえ、「それにはこれくらいのグラフトが必要です」、または「複数回に分けてはいかがでしょう」という提案をさせていただくこともあります。患者様の経済事情に応じて「今できるのはここまでですよ」とお伝えすることもあります。
 自毛植毛の費用は、他の治療法と比べれば高額です。しかし、第1章でも述べた通り、薄毛難民の最大の失敗は、それまで膨大な時間と費用を無駄にしがちだという事実なのです。そして、自然に自分の毛が生えてくるという効果、バレるというリスクのない日々は他の治療法では得難いものです。さらに、通院やメンテナンスの必要がないということは、ランニングコストで考えた場合、他の治療法よりも安価に済む場合もあるのです。

■「患者ファースト」は“言葉”だけでは意味がない
  
 患者様の満足度については論より証拠、当院の術後アンケート調査をもとに解説しましょう。
 P48‐49に掲載したアンケートは、当院で治療を受けた患者様の協力を得て作成したものです。「検討の際、何を重要視しましたか?」という項目では、「手術方法」「ドクターの評判」「症例数」の回答が多数を占めています。そのいずれにも当てはまっていたからこそ、当院での施術は急増していると自負しています。
「検討中に印象に残ったキーワードは?」という項目では、「メスを使わない」「定着率が高い」「MIRAI法」が上位にランクインしており、これらはすべて当院が誇る最先端技術です。薄毛に悩む方が「痛みのない手術」と、「高い効果」を懸命に模索していることがよくわかるデータです。

「○○ファースト」とは最近、「都民ファースト」「アスリート・ファースト」などが流行語のように流布していますが、果たして本当に「ファースト」が実践されているかは、疑問の余地が残るところです。しかし、親和クリニックでは真の「患者ファースト」を目指しています。どういう点が患者ファーストなのかといえば、それは患者様の不安に最大限に配慮し、寄り添うことを実行している点です。これはスタッフ全員が共有している意識です。
 例えば不安を抱える手術翌日のシャンプーは専門のスタッフがおり、洗髪室も備えて、患者様に付き添って行います。植毛後、髪の毛を洗うことは、誰もが怖いと感じます。傷口を洗浄する意味からも、植毛した翌日、当クリニックで専門のスタッフが髪の毛を洗ってくれます。植えるだけではなく、最終的にはきちんと生やしてあげることが我々のミッションですから、これは当然のことでしょう。多くの患者様が気にする「痛み」や「バレ」というリスクを軽減することはもちろん、技術向上によって「効果」を最大化するための努力は、すべて「患者ファースト」のマインドから来ているのです。

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■1年後に再会した“元・薄毛”の皆さん

「もっと早くやれば良かった」というのが、アフターケアで来院された患者様から最もよく聞く言葉です。もちろん嬉しいのですが、実は複雑な気持ちにもなります。というのも、私としては「もっと早く相談に来ていただければ…」と、思ってしまうからです。
 若い世代の患者はまだしも、40~50代ともなれば、ずいぶんと長い時間、薄毛に悩み抜いてきたのだろうな、と。その間、他人の目を気にし、コンプレックスとストレスを抱え、どれだけの費用と時間を費やしてきたのだろう、と。そう考えると、医師としては手放しでは喜べないのです。
 それでも、1年後にアフターケアのために訪れた方の声や表情が、治療前と一変して明るく、積極的になっているのを見ると、嬉しさが倍増します。再会したみなさんの顔は例外なく活力に満ちています。医師冥利に尽きると思える、何事にも代えがたい感動の一瞬です。

 薄毛の悩みを解消するには、自毛植毛が最適解です。この持論に揺るぎない自信を持てる瞬間でもあります。
 人生を劇的に好転させられるかどうかは、いまこのときの勇気次第です。クリニックの門を気軽に叩きに来てください。すべては、そこから始まります。


親和クリニックのベテランカウンセラーが回答する
よくある質問〈不安編〉

自身も自毛植毛によって人生を変えたカウンセラーが、患者様からよく質問される疑問に対して、紙上カウンセリングを実施。〈不安編〉では来院前に気になるであろう内容を中心に回答します。


Q. カウンセリング料金はかかるのですか?
A. 親和クリニックのカウンセリングは無料です。
経験と知識豊富な医師・専門スタッフが、あなたの髪の悩み、薄毛の悩み等、髪に関する様々な悩みを親身にお聞きします。まずはお電話でご予約の上、ご来院ください。

Q. カウンセリング当日にすぐ手術できますか?
A. 当院では安全に手術を行うため、まずカウンセリングの際に血液検査を行っています。
原則としてこの結果を見てから自毛植毛の手術を実施することになりますので、カウンセリングから3日程度待っていただく必要がございます。

Q. カウンセリングはどのような内容ですか?
A. 経験豊富な医師と薄毛専門のカウンセラーが薄毛の相談に乗ります。具体的には、当クリニックのMIRAI法についてはもちろん、その他の自毛植毛法や薄毛治療サービスのメリット・デメリットを贔屓することなくありのまま、お伝えいたします。自毛植毛にご興味がある方には、施術の詳細のお話をさせていただきます。

Q. 手術を受けるつもりがなくてもいいのですか?
A. 薄毛の克服に少しでもお役立てできればと思っております。自毛植毛が適さないと分かれば別の対処法をご提案致します。少しでもお困りであれば、お気軽にご来院ください。

Q. 費用はどの程度かかるのですか?
A. 施術費用として、基本治療費20万+900円/株をいただいております。例えば500株なら、基本治療費20万円+900円×500株で65万円(税別)がお支払金額となります。その時々でキャンペーン割引が適用できる場合もありますので当HPにてご確認ください。

Q. 頭にケガをした傷跡の部分に毛が生えないのですが植毛できますか?
A. 傷跡の脱毛に対しても自毛植毛は良い治療法です。
傷跡の皮膚の状態によっては移植毛の生着率が若干下がることがありますが、傷跡を隠す効果は十分期待できます。


第3章 人生100年時代の「髪」の未来
失われた過去から自分を取り戻す
【自毛植毛治療体験記】

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植毛体験記 PART 1
正直に言います。
私にとって悩んでいる時間の方が、
治療費よりも高かったと思えます。
──佐々木 剛(仮名)さん・32歳・会社員


●髪の毛が細く、いっぱい抜ける恐怖

 私の髪が劇的に変化したのは17歳、高校2年生の頃でした。それまでは剛毛というくらい毛密度も高く、起床時など髪の毛が暴れて洗面台で濡れタオルで押さえなければならないほど元気でした。それが、秋口からまずお風呂の時にシャンプーしていると白い泡に絡まる髪が多く、本当にごっそり抜けている気がしたのです。
 鏡を見ても特に前髪の厚みがまずなくなりました。合わせ鏡をして頭頂部全体を見ると、髪の分け目がなかったのに「あぜ道」ができるくらいになっていました。ボーズ頭にすれば髪が太くなると聞き、ベリーショート(五分刈り)を試したこともありました。短髪にすれば逆に、よくわかるのが、毛根が失われていること。剛毛のころは、髭剃りあとのように「青い」地肌の強さが目立つのに、頭頂部の地肌感が強くなったのです。
「ハゲているのか?」という不安が私を襲いました。身長も178センチで中学まではサッカー部のヤンキーで通していて、どちらかといえばモテていたと思います。彼女もいました。家族を見ても父も兄も、父方の祖父も「剛毛」で、母親の父、つまり祖父だけが前頭部から薄毛で、いわゆる「バーコード」になっていたことを覚えています。「じいさんの隔世遺伝だ」と考え、根拠なく母親に対してキツく当たったりするようになりました。
 苦し紛れに地肌と境界が曖昧になるように金髪に染めたりもしましたが、だんだんと昼間、太陽の光が怖くなりました。大学生になると、とにかく人に会うのが怖くなり、サークルにも入らず、深夜のコンビニバイトをして「育毛剤」を買っては、その効果のないことに失望していました。就活の時に黒髪にもどしたときは愕然としました。もう「ハゲじゃないか!」というくらいの前頭部の後退がありました。見た目30代だなと思い、そのあと「結婚できないんじゃないか」と急に孤独感が迫り、ますます引きこもりになりました。

●育毛サロンなど無駄な費用で300万

 社会人になってからは過剰に育毛知識を詰め込み、「ミノキシジル」の入った市販の育毛剤から、輸入販売の高価な漢方、AGA治療での「プロペシア」という薬なども服用し続けました。それでも髪の毛は生えてきません。「生涯独身か、オレ……」と悩み続け、会社での飲み会などのイベントはそっちのけで育毛サロンにも通い、この10年間でいつの間にか300万円以上費やしていました。
「ハゲがつらい、モテない、自信がない」の悪循環の10年で300万円。正直、この「負の連鎖」から抜け出したいと思っていました。後悔しかありません。だって結果が変わらないのに自分はただ、毛が生えると信じていたかったから。そんな自分に肯定感など持てませんでした。「お金よりも不安のまま何も解決できずに失った時間」への後悔が大きかったんです。効果がないことに費やした時間は戻ってきません。ただ、私はそうした不安と向き合いながらも会社の仕事(経理)ができなくならないほどの社会性はギリギリ保っていました。
 費用対効果とはなんだろうか。少なくとも「効果」のない育毛関連商品の選択はもうしないと決めていました。経理のキャリアで培った投資と費用に対する経済観からすれば、さらに多少の費用はかかっても、必ず薄毛が克服できることに投資するべきだと考えていました。自分の努力で回復できない「失われた10年」という時間こそ「価値」だと考え、自分の「人生時間」の観点から薄毛治療を前向きに捉えるような余裕もできてきました。
 そんな頃、もともとサッカーが好きだった私は、元イングランド代表のFWウェイン・ルーニーの2回目の植毛の話をネットで知りました。特にベリーショートのルーニーの毛根が回復している写真には正直、驚きました。
「そうだ!自毛植毛だ」とこの一択に選択と集中する覚悟を決めました。
今から3年前、29歳の夏でした。

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●失われた過去から自分を取り戻す未来へ

「自毛植毛」と覚悟を決めたら、あとは情報収集でした。今回は曖昧な「期待」ではなく「確実」という客観性・合理性でネットの情報、口コミ、広告を比較検討しました。1カ月後の自己調査におけるファイナルアンサーは、医学博士・音田正光医師の技術でした。
 私のような前頭部が薄い人にとって後頭部の毛髪が生えている皮膚を切り取り移植をする手術「FUSS法(ストリップ法)」が従来の方法だったのですが、音田先生は FUSS法による手術のデメリット、「痛い・違和感・見た目の悪さ」を改良すべく皮膚切除をせず後頭部の毛髪の株だけを採取する「FUE法」をもとに進化させた「MIRAI法」を確立したのです。メスを使わず、毛根の株を薄毛部分に移植するので「痛くない・自然」で美しく仕上がる世界最先端の技術でした。
 私には、一流の医師から治療を受けるための「悩んできた」時間がありました。どうしても音田先生でないと、もう納得ができなくなっていたのです。果たしてクリニックで予約を取り、私は先生に患者としてお会いしました。音田先生に診察していただいたときに先生から言われた言葉がいまでも忘れられません。
「現代の科学では髪の毛をゼロから生やすことは難しい。でも、私にはそのゼロをほぼ回復させる技術と実績があります。ただ薄毛というだけで悩んでいる方の失われる時間が一番もったいない。私の技術で特に多くの悩まれた患者さんの人生が積極的に豊かなものとなるなら、それが本当に嬉しいんです」
 手術はまさに、的確な処置をいただき、後頭部の元気な毛髪力のある800株、2000本をパンチブレードという機械で採取し、髪が薄い前頭部に「毛穴」を作成。見た目自然な質感を出すべく計算された移植毛の移植を行いました。本当に1日ですべてが変わる、いや年相応より若い見た目に変わりました。

●自分の身近な仲間の好意的反応、そして……

 髪に対するコンプレックスがなくなると、不思議です。世界が具体的に変わります。「ハゲが植毛かよ!」くらいの冷やかしを経理部の仲間からもらうと思っていました。
 実は半径5メートルの世界、私の薄毛時代を知っている人たちにこそ「自毛植毛」での印象は好奇の目から、慣れに変わり、いつしか普通の対応になります。まるでメガネを変えた初日の雰囲気くらいの感覚だったのです。4年前に新卒で入社してきた地味だけど顔立ちのきれいな後輩の女性社員から「佐々木さん変わりましたね。ちょっといいかも(笑)」と不思議な言葉をもらい、それがきっかけでランチにいっしょに行ったりして1年間自然に付き合い昨年、結婚しました。できちゃった婚だったんですが、今では一人の娘を持つ父です。
 薄毛から解放されてからの風景は、実はあまり変わっていません。ただ、明らかに僕の人間関係は変わりました。一番の喜びは、孤独感や悩み、他人の視線の恐怖から解放されたことかもしれません。振り返ってみれば、やはり私は音田先生の言葉がいつもよみがえってきます。「薄毛で悩んでいる時間が一番もったいない」。どんな人にとっても人生で失われて戻ってこないのは時間です。貴重な若い時期、技術で解決できる悩みならば、私はその費用の負担は自己投資だと思うようになりました。

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AGA(男性型脱毛症)の場合、薄毛対策に莫大なコストを負担している事実が判明。患者の相談・治療データをもとにこの「悪循環」を「見える化」しました。薄毛を気にしだした20代から、最終的に自毛植毛で解決するまでに、時間にして10年間、さらにその費用(の中心範囲)が約100~150万円でした。特にPHASE 2「薄毛対策前期」で7,000円平均の「薬用」育毛剤の継続使用で失われる費用のレートが上がることも明らかになりました。どの時点で悪循環を止めるべきなのか、読者の皆さんは参考にしてみてください。

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植毛体験記 PART 2
当時は薄毛治療がバレるのが怖かった。
でも、これは100パーセント
私自身の髪の毛なんです。
──山本孝之(仮名)さん・51歳・会社員

●私の思い通りにならないもの
「天下三不如意(てんかさんふにょい)」という言葉をご存知でしょうか。
第72代の白河天皇が遺したといわれる「自分の思いどおりにはならない」嘆きの言葉です。それは「賀茂川の水(洪水)・双六の賽(サイコロ)・山法師(武装した僧侶)」です。
 私は大学時代、哲学科美学を専攻し、大学院の修士まで遊び、バブルの終わりの頃に新聞社の文化事業部に就職しました。結構、皆さんも知っているような美術展なども企画したりしています。先輩、後輩にも恵まれ、取引先の広告代理店の二つ下のキャリアと28歳で結婚し、23年目を迎えています。子供はいませんが、妻もいまだ現役。二人の収入ですでに都内のマンションのローンは終わりました。お金にもあまり困らず、仕事と趣味も兼ねて世界各地にも旅行もし、ほぼほぼ思い通りでした。
 で、白河院の天下三不如意の話ではないですが、私には一つだけ自分の力でコントロールできないものがありました。それは、後頭部の禿頭でした。つまりハゲ。正面から見れば、ハゲて見えないかもしれません。フロントの髪もまだ残り、ただ頭を上から見ると河童のようにまん丸したお皿状態です。歴史の教科書で言えば、まさに織田信長、豊臣秀吉の活躍する安土・桃山時代に日本にイエズス会の宣教師として来日したそうフランシスコ・ザビエルです。「サビエルハゲー!」と仲のいい妻からはいつもからかわれていたりします。妻は気が強い女優の多部未華子を「麗子像」に近づけたようなドS系(笑)。
「そうです、私が、ヘンなおじさん、サビエルだったのです」なんてどMの私はよせばいいのに、妻に乗せられて、しかも、そのノリは会社の忘年会でも発揮され、「ザビエル芸」をかまして「ザビエル」というあだ名まで頂戴しました。それが15年くらい前からはキャラとして定着し、不如意だけれど「まあいいか」くらいでいました。

●でもやっぱり妻に相談してみたら、なんと!

 でも30代から少しずつ旋毛あたりから抜け毛し、5年後には三枚目キャラとして商売でも利用してきましたが、私には「頭頂部のハゲ」は気になって気になって仕方なかったのです。大手製薬会社の「薬用」とつく名の育毛剤は、完全制覇したと思います。育毛マッサージ機も通販系から大手家電ものまで試しました。お互いに外食が多いのですが、私は好きでもないのに髪の毛の成分となる亜鉛の多い牡蠣をこの10年間は見たくないほど食べたと思います。
 頭頂部のハゲ、私のキャラ「ザビエル」を私自身は演じながらもとても恥ずかしく思い、どこかで傷ついていました。昨年の出勤前の朝食時、妻と食卓でついに自分の本音を妻にぶつけてみました。
「実はアタマ…自毛植毛したいんだ」
 すると妻は、こう答えたのです。
「あらいいんじゃない。アナタが、てっぺんのハゲを気にしてるの知ってた。でも、私から髪の毛の話をするのはどこかためらいがあったの。だって、その弱い部分を武器にして自分から会社で笑い者にもなって頑張ってきたじゃない。反対する理由なんてある? ダンナがカッコよくなって困る妻なんていると思う? ザ・ビ・エ・ル君?」
「でも、恥ずかしいし、キャラ変更なんて。ハゲを気にしていた自分だと思われることが恥ずかしいよ」と私が言えば、妻は「だって自毛植毛ってアナタの髪でしょう。カツラじゃないのよ」と返してきた。さらにこんなことも言い切った。
「人は自分以外のことに本当に関心があるようでないのよ。誰かに見られているのは事実ではなくて、そう思わされているだけが事実。ならば、それはアナタの思い込み。ってことは、たとえ植毛がバレても3日で慣れるでしょう。それにキャラ変えのチャンスじゃない。アナタはダチョウの竜ちゃん(上島竜兵)に似てるから今度は、おでんネタでもやればいいでしょう。ザビエルから竜ちゃん。でも二人とも受難者よね。神みたい(笑)」
「う、訴えてやるー! って神か、髪かそれが問題だ。堂々と行ってくる!」

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●1600株4000本の移植

 妻から背中を押された私は、50代の身だしなみとしてここは費用はしっかりかかっても自然な髪の毛の仕上がりが重要だと思い、ネットで評判の音田正光先生のクリニックで診察を受けました。先生は「51歳ですか、人生100年時代、ようやく前半戦が終わりましたね」と気さくにお話をし、特にこれからの後半生を見据えた自分への「ご褒美」のつもりで植毛治療を受けてみることを勧められました。
 私の禿頭はAGAの分類ではⅡ型(vertex型)。頭頂部がO型に薄くなるタイプと診断。
「あなたの前の髪も後頭部の髪もまだ強いです。てっぺんを少し高密度にしてもよいかもしれませんよ。カツラじゃないですから普段の生活が極めて自然でラクです。しかも抜けない部分の後頭部の髪ですし」と先生はもう何千件の症例を頭の中で計算し、私に的確な本数を指示してくれました。
「妻からは夫婦そろって3回分のパリ旅行くらいは費用かけなさいよ」とすすめられたので、迷わず1600株4000本の移植治療を受けました。
 伝えられないのが残念ですが、とにかく先生は、人柄の温厚さとは裏腹に植毛手術の手さばきは、「ブラックジャック」並みの速さです。1日でささっと終えました。
 もちろん仕上がりは完璧でした。特に日に日に頭頂部がモリモリと隆起する感じが嬉しくてたまらなかったことを覚えています。妻からも「いいんじゃない?」と合格点をもらいました。

●あっ、課長、ザビエルじゃない(爆笑)

 植毛してから会社での生活はどうなったのか? それでも人一倍の恥ずかしがり屋の自分にとって植毛による見た目の変化への自意識は高まるばかり。この羞恥心はいったい何なのか、それこそザビエルが信仰したカソリック、イエス様に尋問したいところでした。
「なぜ神は髪をなくしたのでしょうか? そしてなぜ、私から、また髪を復活させたのでしょうか?」と出社前に妻の前でおどけてみたら、「大丈夫。100%アナタ自身の髪」と妻は言って私にハグをしてきました。
 本当に妻の予想どおりでした。つまり、人が見た目で変わることに慣れるのは3日も要らない状態でした。むしろ、20代、30代の部下の女子社員たちは、「課長、ホントにカッコいい」とその自然さに私の頭をナデナデしてくれるようになりました。「ザビエルじゃないです!」「私もプチ整形してもいいですか?」男性の部下からは「えっ、カツラじゃないですよね?」「俺も前やろうかな」と結構、前向きで明るい話題になりました。
 カッコよくなるには言い訳もいらない。ただ、素敵な生き方をすればいいだけ。
「だってアナタの一回限りの人生なのよ。カッコつけなきゃ損でしょう。それにお金はあの世にはもっていけないのよ。私も今から爆乳に豊胸しようかしら?」
 そんな思いが冗談とともに妻から伝えられ、音田先生の治療と手術で実現できました。
 ザビエルは日本を離れた3年後、祖国スペインに帰国することなく中国の地で客死したといいます。私は、これからの人生100年時代、自分の髪とともに妻と楽しく生きていこうと思います。


あとがき

 本書籍は、薄毛に悩む老若男女すべての方に読んでほしく上梓しましたが、特に意識したのは若い世代の方々でした。
 薄毛に厳密な定義はありません。中高年だろうが、若い世代だろうが、本人が「髪が薄いのでは?」と悩み始めたら、それは薄毛です。しかし、若い方ほど「まだ大丈夫」、または経済的事情から「できれば安価な改善策で、手っ取り早く治したい」と考えがちです。その結果、さしたる根拠もない育毛・発毛剤を熱心に購入し、数年経ったら失望するという事態に陥っています。本章でも述べましたが、失望・無駄に気づくまでのコストと時間は、語弊はありますが溝に捨てたようなものなのです。
 私は、そもそも消化管・乳腺内分泌などの外科医でした。腫瘍学などの基礎研究の実績もあります。そうした外科医としてのキャリア・力量を、植毛治療のジャンルで精一杯、発揮してみたかったのです。しかし、まず直面したのが患者たち、特に若い頃から悩み続けていた方が、時間と費用を浪費しているといえる残酷な実態でした。その実態を知るにつれ、自毛植毛を普及させ、より早期に治療を受けてもうよう薦めることが、自らの使命であると考えるに至ったのです。
 少しずつ成果はあがりつつあります。だが、なお問題は山積しています。
 その一つに、自毛植毛には保険が適用されないという点があげられるでしょう。薄毛は病気ではないから適用外なのですが、私は若い世代や、病気が原因で毛髪がぬけてしまった方には、保険を適用してもいいと考えています。そうすれば、薄毛に悩む人の需要に、より多く応えることができる契機となり、怪しい薄毛ビジネスも淘汰されていくでしょう。現状ではあまりに問題点が多い業界にあって、誰かが声をあげなければならず、僭越ながら私が、その使命を担っていると考えたのです。
 親和クリニックでは、師走が近づくとカウンセリングや診察が増える現象があります。理由は、クリスマスやお正月が近いからです。しかし、12月から治療をスタートしては、クリスマスやお正月にはとうてい間に合いません。
 なぜ、もっと早く来てくれなかったのだろうか?
 なぜ、将来を鑑み、早めに対応しようとしなかったのだろうか?
医院が繁盛する半面、複雑な気持ちにさせられます。それも、私たちの植毛医師たちが怠慢で、世の中にこの治療法を知らしめる努力をしてこなかったからでしょう。
 しかし、そうかといって、個人差のある人の毛根は機械的に扱うべきではなく、丁寧に時間をかけたカウンセリングと説明が必要です。「毛根移植は臓器移植」と同じというのが私の持論ですから、説明には慎重を要します。そして、患者様が納得できたら、手術はスピーディーに。このフローを踏めば、薄毛の解決への道は的確に開けます。この1冊が、悩む人たちへの解決の一助となってくれたらと、その思いを込め上梓しました。
 日本人が長寿となり、人生100年時代とも言われる令和の日本において、薄毛コンプレックスによるネガティブなマインドから解放される人たちが増えることは、その人の人生を好転させ、ひいては日本の未来を明るくする契機となり得ます。
 薄毛治療は人生を豊かにするための投資。
 読者の皆様に御一考いただけましたら、これほどの幸せはありません。

令和2年4月吉日
 音田正光


親和クリニックのベテランカウンセラーが回答する
よくある質問〈手術編〉

自身も自毛植毛によって人生を変えたカウンセラーが、患者様からよく質問される疑問に対して、紙上カウンセリングを実施。〈手術編〉では自毛植毛の手術にあたり、気になる内容を中心に回答します。

Q. お酒、タバコはやめないといけませんか
A. 自毛植毛の手術直後のお酒は腫れや痛みが出やすいので避けた方が無難です。タバコは傷の治りを悪くします。移植毛の生着率を下げる可能性もあるので術後1~2日間はできるだけ禁酒・禁煙をお勧めします。

Q. 通院は必要ですか?
A. 手術の半年後、1年後に検診のご案内をしております。ご来院が難しい場合はご相談にのらせて頂きますので、お気軽にお声掛け下さい。また、自毛植毛の手術以降の診察は無料で行っております。万全のアフターケア体制を敷いておりますので安心して自毛植毛を受けていただくことができます。

Q. 手術時間はどれくらいですか?
A. 自毛植毛の手術の範囲により異なり、3~7時間程度です。
患者様によって異なりますので、カウンセリングの際にもう少し正確な手術時間を見積もることができます。

Q. 生え際が不自然になりませんか?
A. 生え際のラインは術前のカウンセリングで患者様のご希望を伺いながら慎重にデザインして決定します。移植する部位によって移植する毛根の太さを選別したり自然な毛流を考えながら移植ホールを作成していきますので、限りなく自然な状態に近い仕上がりが期待できます。

Q. 仕事はいつからできますか
A. 重労働、危険な作業でない限り翌日から仕事は可能です。ただし、前頭部を手術した場合は術後3日目から7日目頃にかけてまぶたが腫れることがあり、接客など仕事の内容によっては支障が出る可能性があります。腫れは手術後から額を冷やしたりマッサージすることで軽減できます。重労働やスポーツは1~2週間避けた方が無難です。

Q. 包帯はどれくらいの間しているのですか?
A. 自毛植毛の手術翌日は包帯なしで構いません。親和クリニックでは、手術翌日の午前中に包帯取り・洗髪・消毒・セットまで行いますので、翌日はキレイな状態でお帰り頂けます。

各院紹介

【プロフィール】
■音田正光(おんだまさみつ)
医学博士。親和クリニック総院長。医療法人社団三幸音和会理事長。
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子
生物学、腫瘍学の研究に約10数年従事したのち、植毛手術を開始。最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は1000例超、その後もっぱらFUE手術を行い症例数は約2000例に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。このFUE法をさらに最先端に進化させた「MIRAI法」を確立。頭部をバリカンで刈り上げることなく移植する、誰にも気づかれない「NC-MIRAI法」の第一人者でもある。得意な自毛植毛手術はハイスピードメガセッション、SuperDensePackingによる高密度移植、女性型脱毛症の治療、フェイスリフト傷跡への毛髪移植手術、フェイスリフト後のもみあげ変形修正術。短時間での大量移植、高密度移植の技術は患者だけではなく国内外の毛髪医療関係者からも絶大な支持を集めている。


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