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経営者必読!藤田田が語った、生き残る社長の条件。3つのポイントと、公私のつけかたを学ぼう。

藤田田が語った、生き残る社長の条件とは? 経営者、マネージメントにあたるビジネスマンはぜひ参考にしてみてほしい。
まずは、『ビジネス脳の作り方』より「3つのポイント」を紹介する。

■①「健康」と②「友人」

 社長の資格の第一番目は、なんといっても「健康」である。社長になるには、生存競争に勝ち残らなければならない。そのためには、夜も昼も働かなければならない。つまり、健康であることがもっとも重要になってくる。

 健康であるには、平素からの健康管理が大切である。自分の意志で摂生し、自分の体をコントロールしていかなければならない。とにかく人の何倍も働き、丈夫で長もちしようと思えば、健康が人一倍必要である。

 二番目に必要なのは「友人」だ。就職する際に、かならず学歴が問題にされる。なぜ、学歴、学歴と学歴が問題にされるか、というと、学校にいった人には友だちが多いからである。いい大学ほどいい友だちに恵まれる可能性が高い。つまり、学歴というのは、いい友だちをもつということにつながるのである。

 しかし、学歴はなくとも、努力をすれば友人はつくることができる。学歴でできる友人には、その人がいままで歩んできた、いわば縦の線でできる友だちである。では、それしか友だちをつくる方法がないかというと、横の線でつくる方法がある。いまはやりのカルチャーセンターなどにいって、友だちを見つける方法だっていい。人生の友だちはいっぱいつくれるはずである。

 この場合も、カルチャーセンターに通うという最低の努力はしなければならないが……。

「人生はいい弁護士と医者がいればいい」といわれているが、アドバイスをしてくれるいい友だちは、社長になろうとすれば、絶対に必要である。それも、自分とはちがった世界の人がいい。発想が全部ちがうからである。

 いい友だちは、いいアドバイザーでもあり、ときには、いい情報源にもなるものである。

■「イレブン」の数え方

 たとえば、先日、ある新聞記者に会って、数を1から10まで数えてみろ、といった。

「1、2、3……」新聞記者は簡単に答えた。
「ひとつ、ふたつでいってみろ」今度はそういうと、「ひとつ、ふたつ、みっつ……」これも簡単に答える。

「それじゃ、イレブンは?」「じゅういち、です」「ひとつ、ふたつのイレブンは?」「それもじゅういち、です」

「そう思うだろう。ところがちがうんだ。ひとつ、ふたつの数え方でイレブンの数え方はちゃんとある」

 実際、イレブンの数え方はある。しかし、現在では、それができるのは、2万人にひとりだ、といわれている。

「教えてくれませんか、イレブンの数え方を」

 新聞記者は白旗を揚げた。

「今度会ったときに教えてあげましょう」

 私はそういってその新聞記者と別れた。

 ひとつ、ふたつと数えるイレブンの数え方を知っているだけで、話題は豊富になるし、初対面の新聞記者を引きつけることもできるのである。社長になるためには、そういった知識の数が多ければ多いほどいい、そういった知識が多くなると、いろんなことについて、あいつは一家言もっている、と一目おかれるようになる。それが大切なのである。

 余暇はパチンコでタバコを取ろう、などとは思わずに、そういった特殊な研究、専門の情報の収集に当てるべきである。特殊な情報の数が多いほど、その人の勝ちなのだ。そのためにも趣味は広くもつべきである。

“趣味と実益を兼ねる”とよくいうが、これは嘘で、趣味は金にはならない。しかし、趣味を広くもつことも立派な特技になるのである。

■③特技

 それから、社長たるものは、特技をもつべきである。特技は知識といいかえてもいい。

 音楽のある部分についてたいへんくわしいとか、楽器がうまく演奏できるとか、推理小説についてはたいへんくわしいとか、漢方薬を語らせたら専門家ハダシであるとか、要するに、学校で教わらない特技・知識をもつべきである。
 つまり、その人が、自分の人生を通じて勉強してきた特技をもたなければならない。それが人よりぬきんでるバネになり、意外なところで役立つものである。

 その分野の話になったら、自分は絶対に勝てる、という特技をもつべきである。

 そんなにむずかしいことではない。陶器にしろ、植木にしろ、世界のフルーツにせよ、10年かけて勉強すれば、どんなことでも相当な専門家になれるものなのである。

 つまり、学校で習うこと以外で、ある目的をもって普通の人が勉強していない分野を知るべきである。ひとつのことを深く知っておくと、「そのことならアイツにきけ」ということになる。そうすると、それが自信にもつながってくる。人を煙に巻くことだってできる。

次に紹介するのが、〈公〉と〈私〉の区別の仕方。
『クレイジーな戦略論』より。

■公私混同はレベルが低い証拠だ

 私は、社長には〈私〉は存在せず、〈公〉しかないと考えている。だから、公私混同が生じるのは、一般の人たちの間である。

 公私混同は、もちろんいいことではない。〈公〉と〈私〉の間に線を引き、はっきりと区別しなければならない。

〈公〉と〈私〉の分け方は、時間で分ければいい。勤務時間中が〈公〉で、勤務時間外が〈私〉だと区別をつければいい。社長に〈公〉だけあって〈私〉がないというのは、社長は24時間、勤務時間だと思うからである。

 社員は勤務時間中に〈私〉をもち込まず、勤務時間後は〈公〉をもち込まなければ、公私混同ということはなくなってしまう。

 私は文明のレベルが高くなると、当然、こうした公私混同などという問題は解決されると思っている。OLにタバコを買いにいかせたり、部下に引っ越しの手伝いをさせたりして、それを勤務評定に加味するのは低次元の話である。

 時代が進み、次元が高くなると、そういったことはなくなってしまう。それこそお歳暮、お中元もなくなるのではないか。

 日本で、公私混同が問題になるということは、日本の次元がいかに低いかを物語っている。ビジネスの最先端では、公私混同はあってはならないのだ。また、公私混同を論議しなくてはならないような前近代的なレベルの低いことではしょうがない。

 わが日本マクドナルドでは、盆暮れのボーナスは社員にだすが、もう一回、決算期にもボーナスをだし、これは社員の奥さんに支給している。【参照:“奥様ボーナス”制度なるものも。日本マクドナルドの福利厚生がすごかった!】

 私がそういうと、それは公私混同ではないかという人がいるが、これは公私混同ではない。

 人間社会の基本単位は夫婦である。特別な理由で結婚しない、あるいは結婚できない、特殊な人を除いて、人間は結婚し、子供をつくり、つぎの世代にバトンタッチをして人生の幕を閉じる。だから、夫婦が社会の一単位である。

 とすると、夫が働いて会社に貢献できるのは、夫のために食事の仕度をしたり、お風呂の用意をしたりして、夫が働きやすいようにしている妻の功績に負うところが大である。ボーナスも月給も、極論すれば、妻に半分だすべきである。

 そう考えて、せめて決算期のボーナスだけは、社員の奥さんに支給している。だから、この奥様ボーナスは、けっして公私混同などといった低次元の問題ではない。

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