リピートしたくなる伝統の郷土料理駅弁かしわめし/西都城駅・都城駅(小林しのぶの「駅弁含哺鼓腹」)
雑誌『一個人』編集部です。
毎回選りすぐりの「1駅弁」を”駅弁の女王”小林しのぶさんに
紹介していただいています。
今回のお弁当は西都城駅・都城駅の「かしわめし」です。
昭和30年から守り続けている味は、ぜひ、食してみたい!
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半世紀にわたって愛され続ける都城の郷土料理
九州北部の伝統料理、鶏肉の炊き込みご飯=鶏(かしわ)めしをアレンジした駅弁。都城地方の郷土料理を盛り込んだ素朴な味わいが特長で、昭和30年(1955)の登場以来、その味を頑固に守り続けている。
レッテルは昭和の風情を漂わせるレトロなデザイン。容器は正方形の木箱で、中に炊き込みご飯7、おかず3の割合で駅弁が詰まっている。
九州のかしわめしは鶏そぼろ、錦糸卵、刻み海苔の三色で構成されるのが一般的だが、この弁当では鶏そぼろの代わりに鶏の胸肉のスライスを使っている。具材の下に隠れているご飯は、鶏ガラスープと醤油をベースにしたダシ汁で炊いたもの。脂身の少ない胸肉と、ダシの風味を生かしたご飯とのコンビネーションが文句なしにうまい! ロングセラーの秘訣はこれかと納得させられる。さつま揚げや煮豆、ゴボウ漬け、パインなどの副菜は味付けのバリエーションが豊かで、かしわめしによく合う。
山里の風情が漂う九州ならではの郷土めし。一度味わうと二度、三度とリピートしたくなる充実の内容である。
なお、取り寄せ専用の冷凍かしわめしも人気。電子レンジで簡単に解凍できるのでぜひご自宅で召し上がれ。
かしわめし 760円/せとやま弁当 0986-22-1000
http://0986221000.com/
小林しのぶ
日本フードアナリスト協会評議委員。駅弁愛好家。
「食」「郷土」にまつわる風俗・民俗・文化を中心に取材活動を続ける。駅弁の食べ歩きは30年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから“駅弁の女王”と呼ばれる。調製元との以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることら“駅弁の女王”と呼ばれる。調製元との駅弁開発、プロデュースも手がける。 新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。著書に「全国美味駅弁 決定版」(JTBパブリッシング)、「超いまうまい帖」(ぶんぶん書房)ほか多数。
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