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意外と知らない?! エスニック料理とワインの相性

雑誌『一個人』編集部です。
おうち時間が増えて、本格的なスパイスカレーを作る人が増えているみたいです。スパイスのきいたエスニック料理はなぜかクセになりますね。夏バテ防止にも良さそうなのでこれからますます人気になりそうな予感。
知ってました? エスニック料理とワインは合うらしいんです。
大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子さんが「ワインとエスニック料理の組み合わせ」をオススメしてくれますのでこの夏、是非トライしてみてください。

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いらっしゃいませ。

大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子と申します。

夏の暑さの中でも食欲をそそる刺激的なエスニック料理! おいしいですよね。

では、エスニック料理をさらに美味しくしてくれるお酒があるって知っていますか? それはワインです! ワインといえばフレンチやイタリアンがよく合うと思われていますが、実はエスニック料理とも相性は抜群なんです。

そこで今回は、エスニック料理とワインのマリアージュのコツをご紹介します。

最近では、簡単に作れるグリーンカレーやトムヤムクンなどのキットがスーパーや無印良品で手軽に購入できるので、マリアージュのコツを掴めばお家飲みの幅が広がりますよ。自分流のマリアージュを楽しみましょう。


◆エスニック料理とは?

エスニック料理とは、インドネシア、タイ、ベトナムなど東南アジア料理やインド、西アジア、中近東の地域の料理のことをいいます。

近年では、東南アジアに旅行で訪れる方も多くなりエスニック料理の人気は高まっています。お土産で現地の調味料を買ってきたり、日本でも調味料も食材も簡単に手に入るので、家で気軽に食べるようになり身近なものとなっています。

代表的な料理と言えば、生春巻き、ナシゴレン、海南チキンライス、トムヤムクン、パッタイ、グリーンカレー、ガパオ、タンドリーチキン、タコスなどがあります。

ワイン1

ハーブやスパイスが刺激的なエスニック料理は、夏にピッタリ!


◆マリアージュとは?

マリアージュとは、フランス語で結婚の意味。ワイン用語では料理とワインの相性のことを表します。ワインは料理によって味が変わり料理もワインによって味が変わるもの。2つの相性がいいと相乗効果が生まれ、ワインも料理ももっと美味しくなるのです。

まさに結婚ですね! お互いの長所を生かし幸せな家庭を築いていくような感じです。でも組み合わせを間違えるとお互いの味が落ちてしまい美味しくなくなることも……

では、相乗効果を得るためにはどのように合わせたらいいのでしょうか?


◆エスニック料理とワインの要素の共通点

マリアージュのコツは、ワインと料理が持つ類似点を探すのが基本です。つまり共通点を見つけるのです。風味や香りが似ているものを合わせると自然とお互いを引き立て合い、よりいっそうおいしくなるのです。

例えば、燻製した料理(スモークチーズ、スモークサーモン、燻製卵、ベーコンなど)は樽の香りがするワインとよく合います。お互いに香ばしいロースト香を感じるという共通点があります。

では、エスニック料理で考えてみましょう。

ハーブやスパイスをふんだんに使い、なんとも刺激的でクセになるエスニック料理。ワインとの相性がいいその理由は、エスニック料理のもつ「甘み、酸味、辛味」がワインの要素と似ているからなのです。

・レモングラス、パクチー、バジル=ハーブの香りがするワイン
・ライム、レモン=柑橘系の香り、酸味のあるワイン
・スイートチリソース、ココナッツミルク=甘酸っぱいワイン、ほんのり甘いワイン
・唐辛子、ニンニク、生姜=スパイシーなワイン

このようにワインの中にも、スパイスやハーブの香りと味わいをもつものがたくさんあります。それらの要素は、エスニック料理とお互いの良さを引き立て合い、最高の相性となるのです。


◆エスニック料理とワインのマリアージュのコツ

では、より美味しくするためにはどんなワインを合わせたらいいのでしょうか?

☆白ワインを合わせるならこんなタイプ
「香りが華やかで、香りも味わいもハッキリとしたもの」

控えめな香りで繊細なワインは、料理のハーブやスパイスの香りに負けてしまうので、しっかりと香り高いものを選びましょう。スパイスの効いた料理にはスパイシーな白ワインがオススメです。

ワイン2

カレーに合わせてもOKです!

香りの高いもの? スパイシー? どのワインを選んだらいいの? という方に簡単な選び方を伝授します。ずばり! ブドウ品種で選ぶ方法。

品種で選ぶなら、ゲヴュルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエがオススメです。

☆赤ワインを合わせるならこんなタイプ
「たっぷりの果実味で、なめらかなもの」

タンニンが豊富なワインは、料理の辛みが増してしまうので、果実味が多く渋みの少ないなめらかなものを選びましょう。渋みが少なくフルーティなワインは冷やしても美味しく飲めるので軽く冷やすのもアリ! スパイスの効いた料理にはスパイシーな赤ワインがオススメです。

品種で選ぶなら、メルロー、テンプラニーリョ、シラーズ、ガルナッチャがオススメです。

☆ロゼワインを合わせるならこんなタイプ
「辛口、甘口どんなロゼでも◎」

白ワインと赤ワイン2つの要素をもつロゼワインは万能ワイン。特に、エスニック料理によく使われるエビ、カニはロゼワインとの相性が最高です。トムヤムクンやパッタイなど甘酸っぱ辛い料理は、甘口、辛口ともに合いますよ。

☆スパークリングワインならこんなタイプ
「柔らかくほのかな甘みがあるもの」

シャープな酸味のあるスパークリングは、泡の刺激で料理の辛みが増してしまうので、ちょっと甘みのある柔らかいものを選びましょう。辛みが増しても甘さがカバーしてくれますよ。赤のスパークリングワインもオススメです。

◆エスニック料理にぴったりなワイン3選

ワイン3

ソムリエが選ぶ「エスニック料理に合うワイン」とは?

どんなタイプのワインが合うかが分かったところでオススメのワインをご紹介します。

○Baby Doll Sauvignon Blanc(ベビー・ドール ソーヴィニヨン・ブラン)ハーブの香りがする白ワインなので、特にバジルやパクチーなどの香草を使った料理と最高の相性です。

ワイン4

料理:生春巻き、ソムタム
タイプ:白ワイン
産地:ニュージーランド
ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
価格:1,440円(税抜き)※参考価格


○Petit Enira(プティ・エニーラ)
果実味が豊かでとてもジューシーなブルガリアのワイン。渋みがなく果実の甘みを感じるので、唐辛子や生姜を使った料理とよく合います。料理のピリッとした辛さを和らげてくれます。

料理:ガパオ、ガイヤーン
タイプ:赤ワイン
産地:ブルガリア
ブドウ品種:メルロー50%、シラー40%、プティ・ヴェルド8%、カベルネ・ソーヴィニヨン2%
価格:1,370円(税抜き)※参考価格


○Paul Cluver Gewurztraminer
(ポールクルーバー・ゲヴュルツトラミネール)
ライチやエキゾチックな香りで華やかなアロマをもつワイン。ほのかに感じるワインの甘さがピリッとした刺激的な辛さのタイカレーやインドカレーのスパイスをまろやかにしてくれます。

ワイン5

料理:タイカレー、タンドリーチキン、インドカレー
タイプ:白ワイン
産地:南アフリカ
ブドウ品種:ゲヴュルツトラミネール100%
価格:2,000円(税抜き)※参考価格


いかがでしたでしょうか。

今回頭に入れていただきたいのは、以下の3つです。

①エスニック料理がもつ「甘み、酸味、辛味」がワインの要素と似ているから相性がいい
②マリアージュのコツは料理とワインの共通点を見つけ合わせること
③エスニック料理にはロゼワインがよく合う

まだまだ暑い夏が続きますが、スパイスたっぷりのエスニック料理とワインで夏バテを吹き飛ばしましょう。

今回、ご紹介したブドウ品種はスーパーにも置いてありますので、お家で気軽に合わせてみてください。

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