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“子宮起動マスターキー”を持つ男」・山田鷹夫が教えるモテの超極意

「死ぬまでセックス」を体現する男がいる。
山田鷹夫、68歳。新潟の山奥でひなびた暮らしを送りながら、快感を世の女性たちと分かち合うべく時に全国各地を行脚する性の伝道師である。
 一見、というかどう見ても怪しげなルックスとは裏腹に、彼の身辺からは女性の姿が絶えることがない。
 そこには異端とも言うべき「モテの超極意」が隠されていた…。


異形の性愛思想家が語った
直球勝負の性愛アプローチ

 一度見たら忘れられないビジュアルである。スキンヘッドに尖ったアゴ、まるで農作業の帰りといわんばかりの飾らないファッション…。
 女性と縁があるようなタイプとはどうしても思えない。むしろ街で声をかけられたりした日には、逃げ出す女性がいてもおかしくないほどだ(※山田鷹夫さんの御尊顔は最下部にあり)

 ところが、である。
 「子宮起動マスターキーを持つ男」の異名を持つ山田氏は、とにかくモテる。しかも複数の女性と交際中、などという生易しいレベルではない。

 ひっきりなしに送られてくる「鷹さんに抱かれたい」という女性たちからのラブコールは尋常な量ではない。歌舞伎町のナンバーワンホストでもここまで求められることはなかろう、と思ってしまうほどのモテっぷりなのである。
 山田氏は単なる絶倫オヤジではなく、自身のセックス哲学をまとめた『超愛 性器なんて使わない』(三五館)など多数の著書を持つ性愛思想家だ。とはいえ、本人自ら「金はまったくない」と公言し、ビジュアルもかなりのハードコア系。しかも新潟の山奥でひとり暮らしをする68歳の無職男性…と、いわゆる「モテ要素」はほぼ皆無。であるにも関わらず、女性たちのハートを鷲掴みにして止まない理由は、一体何なのだろうか?

 「僕には何もない。地位もカネも全くない。 それでもこの人としたいって覚悟を決めて口説いていると、『そんな男でもいいわ』ってOKしてくれる女性にいつかは巡り会えるものなんだ。1度でも会った女性は必ず誘うし、ストレートに『セックスしたい』と相手に伝える。
 言ってしまえばごく単純な話なんだけど、パートナーがいない男というのはまず大概、これができていないんだね」(山田氏)

 もう歳だから、イケメンじゃないから、金がないから…。
 ありとあらゆる理由をこねて、世の男たちは女性への求愛を自分から諦めてしまう。性豪で知られる作家の岩井志麻子女史の名言で「男はタクシーと一緒、手を上げないと止まらない」というものがあるが、確かに自らアプローチせずとも自然と異性が寄ってくる、などということはよほどの美男美女でなければありえない。

 正々堂々、直球勝負で口説き倒す。
 断られたら、はいそれまでよ…と仕切り直し、間髪置かずに次のターゲットへと向かっていく。よほどハートが強くなければできない荒業ではあるものの、それを愚直なまでに長年積み重ねた結果、山田氏には身ひとつでは到底お相手しきれないほどのパートナーがいるというわけだ。

セックスに愛はいらない。
相手に愛情も求めない。

 一般人を遥かに超える多重関係を持つ山田氏だが、その周囲には男女の仲にありがちな修羅場というものが存在しない。

 「僕の場合、女性とは基本1回だけの交わりにしているからね。もちろんタイミング次第では何度も関係を持つことだってあるけれど、まず1回したら終わり。その方がお互いに後腐れがないんだよ。

 僕ははっきり言ってセックスは愛じゃないと思っているし、お相手の女性もそれを分かってくれている人ばかりだから、修羅場なんてありえない。
 愛は呪縛。愛するとか愛されるなんてことに囚われず、もっと自由でありたい。こういう風に考えているから、女性も割と気楽に求めに応じやすいということもあるかもしれないね」(山田氏)

 ただ、セックスは愛ではないと言いつつも、山田氏はひとたび行為に及ぶとなると徹底的に奉仕する。

 「女性には好意的に受け止められることが多いね。長時間愛撫をしていると、そこに愛を感じてくれる人もいる。
 僕はしたいから、しているだけ。でも、女性が愛だと感じたなら、それはそれでいいんだ。セックスは頭であれこれ考えてするものじゃない。どうするか、どう感じるかも含めて自由なんだよ」(山田氏)

 「愛撫が長い」というのは、山田氏が提唱している「セックスに生殖器はいらない」という信念とも合致する。
 挿入なしに「子宮起動マスターキーを持つ男」なのだ。

 「女性ってね、男のことを“セックス下手”と感じている人が多いんだよ。乱暴だし、ひとりよがりだし、そのくせすぐに自分だけ達してしまって自己満足に浸ってる。
 世の中の女性は、男の身勝手なセックスにうんざりしているんだね。だったら、出すことなんてやめてしまえばいい。突き詰めれば挿入しなければいいと考えに至ったんだ。
 これ、男にはなかなか分かってもらえない。出さないとゴールじゃないっていう固定観念があるんだろうね。むしろ女性の方が理解してくれるよ」(山田氏)

 それなら確かに疲れないし、無理に体力を消耗することもない。
 歳を過ぎた山田氏が生み出した究極の性愛術といえるが、実行に移せる男性は多くはないだろう。

 「『この人とセックスしたい』と強く願って、ようやくその思いが叶ったわけだよね。なのに20分や30分でハイ終わりっていうのは、お互いに満足できないと思うんだ。短い時間しか楽しめないから男は焦って自分のしたいことしかしなくなる。悪循環だよね。
 できれば昼から夜まで、夜なら朝まで…それで疲れたら寝て、また再開するくらいの余裕が欲しい。その方がセックスとしては充実したものになると思うんだ。
 出会いにはできるだけ時間をかけず、ひとたびするとなったらじっくり時間をかけるのが僕のモットーだね」(山田氏)

 出会いは短く、セックスは長く。
 豊かな性生活を求める男性にとっての金言といえるかもしれない──。

裸一貫全てをさらけ出し
素直に本心を語る

 それにしても、だ。
 ここまで話を聞いていても、68歳の男に何故こんなにも膨大な数の女性が寄ってくるのか、分かりかねる部分が多い。その秘密は、山田さんが出会いのツールとして使っている「フェイスブック」にあるようだ。

 「インターネットは出会いに不可欠だよ。特にSNSは便利だし、日本全国どこにいる女性とだって知り合える。
 でも同時にネットは魔物でもあってね。男はネット上に虚像を創り上げてしまうんだ。仕事ができて、見栄えもよくて、カネもある…そういうの、全てとは言わないが大半は嘘っぱちだったり、誇張があるよね。

 本当に女性と知り合いたかったら、むしろ逆のことをした方がいい。僕は何も隠さないし、あるがまま。それを見て『無理!』という女性は、さっさと僕のフェイスブックから去っていく。反対にこんなオヤジでもいい、または脈アリという女性だけが残ってくれるんだ」(山田氏) 

 68歳、家族なし、家は汚い、金もない──
 でも「貴女としたい」と、素直な気持ちを吐露する。飾らないから、会ってみて期待ハズレなどということもありえない。興味を持ってくれる人が少なくても、一度繋がりができれば成功率は意外に高い。
 つまるところ、山田氏が女性を選ぶのではなく、彼女たちが山田氏を選んでいるわけだ。

 「当然、相手を選ぶ権利は女性の方にあるんだから、男はあるがままの自分を見せないとダメ。それに、格好つけて嘘ばかりついている男っていうのは、自分から『選んでやっている』という奢りがあって、女性はそういう男をしっかりと見抜いているものなんだよ。

 その反動かもしれないけど、僕みたいなどう考えても普通じゃない、でも素直に自分を語る男に、かえって興味を示してくれる女性もいるんだろうね。とても性にオープンな考えの人も、もちろんいる。その一方で、パッと見た感じは真面目でお堅い雰囲気なんだけど、隠している性的欲求を抑えられずに僕と発散する女性だっている。
 もしかしたらそんな秘密の一面を誰かに見てもらいたいという思いがあるのかもしれない」(山田氏) 

 どんなに遠くに住んでいる女性にも、山田氏は直接会いに行く。自ら出向いて、相手への思いを行動で示す
 現在は数々の趣味のひとつである日本百名山登りと合わせて、フェイスブックで出会った女性の元へ馳せ参じる日々を送っている山田氏。

 性愛の伝道師は、今日も日本を駆け巡る。
 その探究心は、留まることはない。
 そう、灰になるまで───

<執筆者プロフィール>
もがき三太郎
出版業界で雑誌編集者として働いていたが、やがて趣味と実益を兼ねた海外風俗遊びがライフワークとなる。現在は中国を拠点に、アジア諸国と日本を行き来しながら様々なメディアに社会問題からドラッグ事情まで、硬軟織り交ぜたリアルなルポを寄稿している。


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