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和食がプロの味になる「万能だれ&煮汁」の作り方

『一個人』春号「口福の家ごはん」特集では、和食・洋食・中華の超定番レシピをおいしくするたれやソースの作り方、調理のポイントを解説しています。そのなかから、『和の基本だれ』、『煮物の煮汁』、『味噌煮の煮汁』とそれを使ったレシピを紹介。自宅にある調味料を混ぜ合わせるだけで、普段の料理が格段においしくできあがります。

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和の基本だれと煮汁で料理の味つけが安定

素材の味や風味を生かした、シンプルな味つけだからこそ、調味料のバランスが肝となる和食。

ただ、ひと口にバランスといっても、不慣れな料理初心者にはハードルが高いのが正直なところ。

「そんな時、役に立つのが、一度作れば様々な料理に応用できる、和食ならではの便利なだしやたれです」

料理研究家の川上文代さんが、調味料を混ぜ合わせるだけでプロ顔負けの味つけが可能な『和の基本だれ』、『煮物の煮汁』、『味噌煮の煮汁』の3つのたれと、おすすめレシピを伝授してくれた。

基本のたれの一番のメリットは、すでに味は完成しているので、味つけがブレずに安定すること。食材を用意したら、あとはたれを注いで火加減を調整するだけで必ずおいしく仕上げられるから、調理時間も短縮できる。

「何より、自家製のたれであっという間においしい一品が作れたという達成感が、次なる料理作りへの意欲につながります」

主菜、副菜から汁物まで幅広いメニューを網羅でき、食材や調理法を変えればさらにバリエーションも広がる。まずはこの3つのたれとレシピをしっかりマスターしよう。

「和の基本だれ」
あらゆる和食料理に使える万能だれの代表格

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【こんな料理に使える!】
◦しょうが焼き
◦照り焼き
◦豚の角煮
◦いかと大根の煮物
肉、魚、野菜などの素材も、煮る、焼く、炒めるなどの調理方法も選ばない、まさにオールマイティに使える万能調味料。

●作りやすい分量【1:1:1】
濃口醤油 大さじ3(45㎖ )、みりん大さじ3(45㎖ )、酒 大さじ3(45㎖ )

●作り方
すべての調味料を混ぜ合わせる。煮物に使う場合は、具材に火を通してから加える。

【おすすめ料理】豚のしょうが焼き
基本だれと筋切り、小麦粉が決め手の定番料理

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●材料(2人分)
豚肩ロース肉の薄切り……250g
しょうがのすりおろし……15g
小麦粉……小さじ2
和の基本だれ……2/3量(大さじ6)
サラダ油……小さじ1
キャベツのせん切り
トマトのくし切り

●作り方
①豚肩ロース肉は、筋切りをして小麦粉をまぶす(筋切りをすることで、豚肉が反りにくくなる。小麦粉をまぶすと、こんがりきれいに焼け、小麦粉とソースが絡んで豚肉がとろりと柔らかくなる)。

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②フライパンにサラダ油を熱し、表になる面を下にして並べる。軽く押さえて、焼き色が付いたらひっくり返す。

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③両面こんがり焼けたら、和の基本だれとしょうがのすりおろしを加えて全体に絡める(上下を返すと豚肉にまぶした小麦粉が溶けて軽く濃度が付き、豚肉にたれが絡みやすくなる)。

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「煮物の煮汁」
調味料を混ぜ合わせ、最後に薄口醤油で香りづけ

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【こんな料理に使える!】
◦肉じゃが
◦筑前煮
◦五目煮
◦牛丼の煮汁
みりんの甘みや旨みを生かしつつ上品な味わいに仕上げたい時には、だしを加えて調理すると、風味がアップする。

●作りやすい分量【4:4:4:3:60
薄口醤油 小さじ4(20㎖ )、みりん小さじ4(20㎖ )、酒小さじ4(20㎖ )、砂糖 大さじ1(15㎖ )、だし汁300㎖

●作り方
薄口醤油以外の調味料を混ぜ合わせて、料理に加える。薄口醤油は香りづけとして最後に加える。

【おすすめ料理】肉じゃが

「煮物の煮汁」で決まる、おふくろの味

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●材料(2人分)
牛薄切り肉……125g
じゃがいも……2個
玉ねぎ……1/2個
にんじん……1/3本
しらたき……100g
絹さや……6枚
煮物の煮汁……全量
ごま油小さじ……1

●作り方
①じゃがいもは厚さ2㎝の半月に切る。にんじんは乱切りにする。しらたきは湯通しして長さ6㎝に切る。絹さやは筋を取り塩ゆでする。

②鍋にごま油を熱し、玉ねぎ、牛肉、じゃがいもの順で加えながらじっくり炒める(ここでよく炒めた方がおいしく仕上がる)。

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③しらたきと煮物の煮汁を入れて、沸騰したらあくを取り、蓋をして約20分弱火で煮る。途中で上下を返す。

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④器に盛り、絹さやを添える。


「味噌煮の煮汁」
上品で飽きのこない、さっぱりした味わい

6 味噌煮の煮汁(さば味噌煮)210312_best_046

【こんな料理に使える】
◦さばの味噌煮
◦こんにゃくの味噌煮
◦味噌味の和風パスタ
さばの味噌煮だけでなく、味噌味の和風パスタにもよく合う。みりん風味の調味料ではなく、本みりんを使うとおいしく仕上がる。

●作りやすい分量【6:1:6:3:3+(水1カップ+こんぶ4cm)
味噌 大さじ2(30㎖ )、薄口醤油 小さじ1(5㎖ )、酒 大さじ2(30㎖ )、みりん 大さじ1(15㎖ )、砂糖 大さじ1、水1カップ(200㎖ )、昆布4cm

●ポイント
調理の際に煮詰まりすぎたら、差し水をするとよい。

【おすすめ料理】さばの味噌煮

湯通しと短時間の加熱がおいしさの秘訣

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●材料(2人分)
塩さば……1枚(1/2フィレ)
しょうがの薄切り……4枚
ねぎの青い部分……適量
味噌煮の煮汁……2/3量
白髪ねぎ……少々
チンゲン菜の塩ゆで……1/2株分

●作り方
①塩さばは半分に切り、皮目に飾り包丁を入れる(こうすることで、他の部分が破けず、反らなくなる。中まで味が染みやすくなり、火が通りやすくなる)。

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②霜降りする(バットに皮目を上に入れて、皮目に優しく90℃の湯をかけて霜降りして、1分したら水を端から入れる。こうすることで、生臭さが取れる)。

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③フライパンに味噌煮の煮汁を昆布ごと入れる。さばの水分を取って入れ、しょうが、ねぎの青い部分を入れる。落し蓋のキッチンペーパーをかぶせて約5分煮たら、落し蓋を外して、煮汁をかける。

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④器にさばを盛り、煮汁をかける。白髪ねぎとチンゲン菜を添える。

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監修 川上文代さん
渋谷区広尾にて「デリス・ド・キュイエール川上文代料理教室」を主宰する料理研究家。食育インストラクター、フードアナリスト、地元の千葉県館山ふるさと大使として各地での講演、雑誌、新聞など、多方面で活躍中。『新版 イチバン親切な料理の教科書』(新星出版社)ほか100冊もの著書を持つ。


※編集者がしょうが焼きを作りました。動画ぜひ覧ください↓

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