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電話帳の中から「新妻守夫(にいづま・もりお)」さんを発見! かたや「浮気」さんもいる。【珍名さん列伝】


雑誌『一個人』編集部です。
ガッキーと星野源さんの結婚報道、びっくりしましたね!
今回は、「結婚」「田」「時」にちなんだ珍名さんを名字研究家の高信幸男さんがご紹介します!
あなたがまだ出会ったことのない、珍しいお名前が続々と登場しますよ!


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「妻夫木」から「浮気」まで! 結婚や夫婦にまつわる珍名

6月は、ジューンブライドと呼ばれるように結婚式のシーズンですね。そのため、この時期は全国各地で華やかに結婚式が行われます。近頃の結婚式は昔と少し風変わりもしてますが、共に力を合わせ幸せな家庭を築こうとする夫婦の結婚に対する強い思いは変わりません。そこで、今回は結婚式に関する名字を紹介します。

「結婚」や「婚姻」という名字は存在しませんが、結婚式に関係がありそうな名字では、新妻(にいつま・にいづま)さんや、指輪(さしわ)・門出(かどで・もんで)・寿(ことぶき)・祝(いわい・ほうり)・神主(かみぬし・こうぬし)・神前(かみまえ・こうざき・かんざき)・神酒(みき)・三度(みたび)・盃(さかずき)・両家(りょうけ)等があります。

また、直接結婚式には関係ないですが夫婦岩(めおといわ)さんや妻夫木(つまぶき)さんもいます。

結婚式には不釣合いかも知れませんが、「浮気」という名字も全国に約30軒あります。「浮気」と書いて「うき」と読みます。「うき」とは、もともと湿地帯のことで、「ふけた土地」から「ふけ」となり「浮気」の文字を当てました。名字は「うき」と読んでいます。実際に、滋賀県守山市に浮気(ふけ)という地名があります。つまり、「浮気」という名字は地名から生まれたのです。

「浮気」という名字は鎌倉時代からあった名字で、近江国(現在の滋賀県)を中心に活躍した一族です。ちなみに、電話帳の中から「新妻守夫(にいづま・もりお)」さんと言う名前を見つけました。奥様が喜びそうな名前です。これから新たな門出をするご夫婦の、末永い幸せをお祈りします。


日本最多! 約1000ある「田」のつく名字

日本は昔から稲作が盛んで、5月には全国各地で田植えの風景が見られます。今では農業も近代化が図られ、大型機械で田植えをしますが、昔は5月の晴れた天気の中、五月女(さおとめ)の田植え姿が見られました。稲作文化の日本では、名字の中にもその光景が現れています。今回は、稲作に関する名字を紹介します。

名字の中で、最も多いのが「田」の付く名字です。山田や太田、上田…等、「○田」と「田」の名字は約1000あります。田の位置から生まれた上田や中田、田の大きさから生まれた大田や小田、田の形から生まれた丸田や細田、田の広さから生まれた一反田や二反田、収穫の時期から生まれた早稲田(わせだ)や奥田(おくだ)等、様々。それらの名字は、それぞれの「田」の近くに住んで付けられたものです。また、田を管理する者から生まれた齋田(さいた)や彦田(ひこた)、君田(きみだ)等の名字もあります。

稲作に関係のある名字では、稲(いね)・苗(なえ)・早苗(さなえ)・田植(たうえ)・五月女(さおとめ・そうとめ)・穂刈(ほかり)・穂積(ほづみ)・米(こめ・よね)・籾(もみ)・俵(たわら)等の名字の他、稲作には欠かせない雷(かみなり・いかづち)と稲妻(いなづま)さんもおられます。また、稲を耕作するために必要な田(た・でん)・畔(あぜ・くろ)・畦(あぜ・くろ)・土手(どて)・堀(ほり)・堤(つつみ)・川(かわ)・水路(みずじ)等の名字もあります。五月女早苗(さおとめ・さなえ)さんという方にお会いしたことはありませんが、素敵な名前なので日本のどこかにおられるのではと思います。


「時計」「十時」 時にまつわる珍名さん

6月10日は、国民の祝日ではないが「時の記念日」として知られています。国民に「時間をきちんと守り、欧米なみの生活の改善・合理化を図ろう」と1920年に東京天文台などの呼びかけで制定された記念日です。日本書紀によると、日本初の時計(水時計)が鐘を打った日が6月10日であるためこの日を記念日にしたと言われています。

このように、日本でも昔から時間に対して強い思いがあったことが伺えます。それは、名字にも表れていて、「時(とき)」や「時計(とけい)」・「十時(ととき)」という名字があります。「時計」という名字の由来は、時間が正確だったことから殿様から賜ったとされています。「十時」という名字の由来は、大分県豊後大野市にある十時(ととき)という地名からで、その地を治めていた戦国武将の十時惟信がいます。同じ「十時」の名字を持つ人の中に「十時七五三分」という方がいました。まるで時間を表しているような名前ですね。

また、昔は十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥)で時刻や方向を表していたため、これらの文字を使った名字も存在します。虎(とら)という名字が存在しますが、この名字は獣の虎が由来ではなく、干支の寅であると考えられます。艮(うしとら)という名字もあるが、これは「丑(うし)」と「寅(とら)」の中間を指しています。時代劇などで使われる「丑三つ時(うしみつどき)」は、現在の午前2時30分あたりを指しています。辰己(たつみ)や戌亥(いぬい)という名字も存在しますが、こちらは時刻ではなく方角(辰己は南東、戌亥は北西)を表した名字です。

高信 幸男(たかのぶ ゆきお)名字研究家
1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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