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中国からこんにちは-40男のJUNKレポート ※一部エロ有

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中国在住・40過ぎの元雑誌編集者が、日本とアジア(主に中国)を飛び回って見聞きし、思ったことや感じたことを徒然とお届けするカオスなマガジンです。 ピュアな純愛ネタからセックス関連… もっと読む
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#中国

なぜ日本には女性首相が生まれないのか? ─アジアとの比較でみる女性リーダー論─

■女性リーダーと民主主義 日本では、女性の社会進出をはかるものさしとして、しばしば政治の世界がやり玉に挙げられる。先進国の中で女性議員の割合は最低レベル。新内閣が誕生する度に、ひな壇に並ぶのは脂ぎったオヤジばかり…日本はなんと保守的な「男根社会」であることよ、というわけだ。成熟した民主国家として落第だというのである。  だが、この点に関しては異論を挟みたくなる。  歴代首相に女性がひとりもいないことをもって、民主主義の成熟度をはかるのは、100%正解だとは思えないのだ。

未知の言語で祈りを捧げる中国人たち-中国の地下教会に行ってきた-

 中国のキリスト教には「方言祷告(ファンイェンダオガオ)」というものがある。  直訳すれば「方言による祈り」。そう聞くと、その土地に根ざした言葉でお祈りをするものとイメージされる方が大半ではなかろうか。  しかし、これは日本でいえば、京都弁や博多弁でイエス・キリストに祈りを捧げるようなもの。  「うちらの罪を堪忍しておくれやす、うちらも人様の罪を許しますさかいに」  といった感じであろうかと、自分も最初はそんな風に思っていた。  実際、広大な国土を持つ中国には、数え切れない

「ぬこ星人」中国を侵略す!

 猫、またの名を「喵星人(ミャオシンレン=ぬこ星人)」。  それは遠い宇宙からやってきた地球外生命体であり、モフモフの外見で人類の心を掴みながらも、密かに地球征服のチャンスを狙う可愛くも恐るべき異星人なのである──!  そんな馬鹿な…とお思いの方。これは筆者の妄想でもなんでもなく、中国や香港、台湾を含む中華圏では猫好きなら誰でも知っている「定説」だ。  猫の可愛さは、現代科学で説明できるレベルを越えている。見た目といい生態といい、なぜここまで人間の心をくすぐるのか。きっと

アダルトグッズ業界で 妖光を放つダークヒーローたち

海を渡ったオナホールの誕生秘話─シリコンを使って女性器を型取り、細部までリアルに再現したオナホールを作った。ついてはこのオナホールのモデルとなる女性を探して欲しい─  そんな仕事の依頼を受けたことがある。今からだいぶ前、かつて筆者がアダルトの仕事に携わっていた頃の話だ。  ちなみにご存知ない方のため最初に説明しておくと、オナホールとは男性が自慰に使うための、女性器を模した「穴」である。大きさはコーヒー缶かペットボトル程度のものが一般的で、かつてはスポンジ製が多かったが、技術

極私的・心に残る言葉(外国人編) -20代フィリピーナ/黒人のゲイ/中国人留学生-

 ひとつの言葉が、心を動かす。  「Yes,we can」とか「I shall return」なんていう大仰な言葉でなくとも、ふと耳にした誰かのひと言がずっと頭から離れず、その人の一生を左右する…なんてことが、たまにある。  だいたい記憶に刻まれる言葉というのは、自分の心をざっくりえぐるような痛みを伴うものだったりする。  40も過ぎると子供の頃の思い出なんて曖昧になってきて、小学校低学年の記憶なんぞきれいさっぱり忘れてしまうものだが、担任の教師から激しい折檻とともに受けた

死人よりもご近所さんにご用心! 日中の事故物件に見る「お部屋探し」の真・極意

意図せずして事故物件に 住むことになった思い出 かつて日本で7年ほど、事故物件に住んでいたことがある。  別に自ら進んで事故物件に住みたいと思ったわけではない。引っ越して来たばかりの頃は普通のボロマンションだったのだが、1年ほどした頃に建物2階で独居老人の死体が見つかり、晴れて呪われた物件になったという次第。要は偶然が為せる技であった。  ところが当時雑誌編集の仕事をしていた自分は、家に帰っても寝るだけといった生活を送っていたので自宅が事故物件化していることに5年間くらい全

中国から見た香港デモ問題 -愛国心に駆られて政府を支持する中国人の心理とは?-

 香港の民主派デモが泥沼化の様相を見せる中、世界中が香港政府、そしてその裏にいる市民たちに声援を送っている。それに対し、中国サイドの報道は「分離活動は許さない」、「アメリカに操られたテロ分子たちは即刻暴力行為をやめよ」の一点張り。  欧米諸国や日本の人々はきっとこんな風に思っているだろう。中国は鉄壁の情報統制が敷かれているから、人民たちは香港で今起きていることを知らないに違いない。心の中では民主化を望む香港市民たちに、共感を覚えているに違いない、と。  残念ながら、それは

ハードコア・中国人クリスチャンは中華の大地で神の国を夢見る-中国の地下教会に行ってきた-

クリスチャンの信仰心は受難によって磨かれる イスラエルの米大使館、エルサレムに移転決定。  もう昨年のニュースではあるが、世界の多くの人々がトランプ大統領を批難する中、当時自分の周囲にはこの一件を拍手喝采で称える人々、というかチャイニーズの皆さんがやたらと多かった。キリスト教右派、もしくはキリスト教原理主義のハードコア・中国人クリスチャンである。  筆者が中国でキリスト教に巡り合ってもうすぐ1年。主のお導きかそれとも聖霊さまのはたらきか、理由はまったく不明なれど、これまで

日本凋落を、誰よりも悲しむアジアの日本語学習者たち【アジアン・レポート】

せっかく学んだ日本語が、ある日、何の役にも立たなくなる「日本いい国強い国、世界に輝く偉い国」  などと言ってアジアの盟主を自認し、世界に戦いを挑んだ挙げ句、コテンパンに敗れ去った戦前の我らがニッポン。もう二度と戦争しまいと心に誓い、奇跡的な復興を遂げて再びアジアに君臨したが、あろうことか爆発的な経済成長を遂げた中国にその座を奪われ、今日に至っている。  豊かであることには変わりはない。でも、もうどう背伸びしても金の面では中国に敵わない。そんな状況を「今に見ておれ」と歯ぎしり

ブームに水を差して恐縮ですが…「“偽”タピオカ」と「“毒”タピオカ」について

 かわいいし、みんなが飲んでるから私も飲む!  そんな調子で若い女子の間で大流行中のタピオカミルクティーは、今や流行りの店ともなれば数時間並ぶことも当たり前。しかし、彼女たちは恐らく知らない。並んでまで飲もうとしているそのタピオカが、偽物かもしれないということを…。   それに対して、タピオカミルクティー発祥の地である台湾はもちろん、今やこちらが本家と言わんばかりの勢いて街中タピオカ飲料だらけの中国本土の人々は、ちゃんと疑う。 「これ、何か混ざっているんじゃ?」  しっか

チャイニーズ・クリスチャンに救いの日は来るか?-中国の地下教会に行ってきた-

信教の自由がない国で神を信じる中国人 突然だが、あなたは中国人にどんなイメージを持っているだろうか。  何事も大雑把でやたらと声が大きく、公共心のカケラもない上に頭の中は金のことばかり…。そんなネガティブな印象を持つ方は少なくないと思う。実際、そういう輩は、少なくない。というか多い。  でも、すべての中国人がそんなお定まりのテンプレートに当てはまるわけでは決してない。信じがたいかもしれないが「絶対に嘘をつかない」「人を騙したりしない」「困っている人がいたら必ず手を差し伸べる」

「生まれてきて、今が1番幸せだ」 と思える人生のために -40歳から始める国際恋愛のススメ①-

**メンヘラ女子とクズ男。  あるカップルが教えてくれたこと** 出版社で働いていた頃、職場にMさんという先輩がいた。ビジュアルは一見して懲役帰りのチンピラ系、でも一度として怒った顔を見たことがないほど心優しい人だった。そのMさんと自分の共通の友人に「タカ」というこれまた懲役ヅラの奴がいた。Mさんとは野外レイバーの聖地・インドのゴアで知り合ったらしく、自分がタカに初めて会ったのは日比谷線六本木駅の駅階段。初対面の自分に向かって、第一声で「な、なな、なんか持ってない?」とか言う

「生まれてきて、今が1番幸せだ」と思える人生のために -40から始める国際恋愛のススメ②-

●前回までのあらすじ  仕事を辞め、語学留学のために単身渡った上海。そこで40男を待ち受けていたのは、思いもよらない出会いだった。お相手はクラスメイトのタイ人華僑で、メンヘラ気質のニンちゃん30歳。毎日机を並べて勉強し、放課後もずっと一緒に過ごしながらも、己のゲスな心を悟られまいと思いを伝えず寸止めの関係を続けていた。  そんな手も繋げないけれど心がほっこり満たされる幸せに溢れた日々が、やがて終わりを告げようとしていた…。 永遠に続く幸せなんてないことを 思い知らされた転機

「生まれてきて、今が1番幸せだ」と思える人生のために  -40から始める国際恋愛のススメ最終回-

これから日本を離れて世界へ飛び出す貴方へ 日本がつまらないと感じ、海外へ飛び出していく人が世の中には少なからずいる。というか、自分もまさにそのひとりだった。20代、30代は会社勤めをしながら行ける範囲で、エアーチケットやら宿代やらに湯水のように金を使った。  そして40過ぎになり、ようやく分かったことがある。  「日本がつまらないのではなく、自分自身がどうしようもなくつまらない人間なのではあるまいか」  薄々感づいてはいたのでショックはなかった。海外へ行く人がすべてそう